カナダのResearch In Motion (RIM)が、同社最新OSのBlackBerry 10を外部パートナーにライセンスするという噂が出ているが、新たにメディアによって行われた同社CEOへのインタービューにおいてほぼ確実のものとして認知されつつある。メリットがある一方で、従来の同社のビジネス慣習からは外れた行為が大きくマイナスに左右するという話もあり、この諸刃の剣をいかに使いこなすかに注目が集まっている。
以前、マイナビニュースのレポートでも紹介したように、OSライセンスの話は英Telegraphが同社CEOのThorsten Heins氏へのインタビューとして報じた件にさかのぼる。PC Worldによれば、その後ドイツ地元紙のDie WeltがやはりHeins氏へのインタビューで「十分にありえる話だ」というコメントを引き出しており、戦略の1つとしてほぼ確実なものとなりつつあるようだ。
だが、PC Worldの同記事を執筆したJohn P. Mello Jr.氏はライセンスによって市場拡大が期待できるというメリットの一方、OSライセンスによるパートナーとの競合や、同OSの名称を冠した製品が原因での信頼性の失墜の弊害などにも言及している。もともとBlackBerryの魅力はソフトウェアとハードウェアが密接に連携している部分にあり、ハードウェアを含めて「BlackBerry」の魅力として認知されている傾向がある。そのため、ソフトウェアのみのライセンスがどこまで意味を持つのか微妙だというのだ。また同OSを搭載したパートナー製端末と"RIMのBlackBerry"端末が市場で真っ向から対立する可能性があり、市場を広げる前に内部競合を起こす危険性がある。以前にHeins氏はOSライセンスについて「QNXを車載システム向けにライセンスすることの延長」と表現していたが、ことBlackBerryに関してそれがどこまで当てはまるかは未知数だ。