先日、Dellの身売りと非上場化についてレポートしたが、新たな展開が発生して話題になっている。Dellの当面の目的は一般株主から株を買い戻して上場廃止することだが、1月22日(現地時間)の米Wall Street Journalによる報道では、この買い戻し協力にMicrosoftが名乗りを挙げているという。
前回のレポートにもあるように、買収完了時点におけるDellの時価総額は220~250億ドル程度とみられており、Dell自身の資産とCEOのMichael Dell氏が持つ株式の持ち出し分を差し引いた、少なくとも20億ドル以上の資金が買収には必要とみられている。
これは最終的な買い取りが行われる1株当たりの株価によって変動するものの、投資会社のSilver Lake PartnersやTPG Capitalといった企業らの持ち出し分と、借入金の形での資産を合わせ、買い戻しに充てられる。Microsoftがこの際の資金援助を行い、上場廃止した後のDell株式について、持ち合いオーナーの1社になるという。
WSJによれば、最終的な取引内容は1週間内にも決定され、4つの銀行はおおよそ150億ドルの資金調達を分け合うとみられる。残りの資金持ち出しの内訳は、Silver Lakeの資産、Dell氏の持つ16%の同社株、そしてDellのキャッシュ資産とMicrosoft投下資金を組み合わせる形になる見込みだという。
Microsoftはその見返りとして優先出資証券(Preferred Security)を受け取るほか、Dellの製品戦略に対して一定の影響力を残すのが真の狙いとみられている。Dellを含め従来型のPCメーカーは苦戦を続けており、Microsoftもまたその影響からは逃れられないとみられる。ある意味で、MicrosoftのDell買収参加は将来の生き残りに向けた先行投資なのだろう。