「火はどこにつけますか? おなかにしますか? 背中にしますか?」――これは、香港のとあるマッサージ店での話。香港といえばマッサージ。足ツボやら全身マッサージやら、日本よりも格安で身体をほぐしてくれるのでありがたい。でも、「せっかくだからちょっと変わったマッサージを受けたい」という人におすすめの店が「BodyZEN」だ。
身体の不調な部分にファイヤー!
前述の「火をどこにつけますか?」というのは、BodyZENおすすめマッサージメニューのひとつ、ホット・マッサージ・セラピー「循經解痛行血火療」。なんと身体に火をつけるというすごいマッサージなのだ。
このマッサージは、2000年前から伝わるとされる中国の伝統的な療法のひとつ。体内の余分な水分を蒸発させ、身体を温めることで、血行が良くなるとのこと。おなかの調子が悪ければ、あおむけになっておなかに火を。肩や背中、腰などの調子が悪ければ、背中に火をつける。といっても、直接身体に火をつけるわけではなく、タオルごしにするのだが、それでも自分のおなかや背中から炎が燃え上がっている様子はちょっと怖い。
面白そうなので実際に体験してみたが、なんとも不思議な気分。背中に火をつけてもらったのだが、はじめはコタツに入っているようなポカポカしたあたたかさ。次第に熱くなってきて今度はサウナに入っている感じ。さらにヒートアップしていき、最後の方はストーブの火を近づけられているような、ちくちくする熱さが襲ってくる。ファイヤマッサージが終了すると、背中が軽くなった感じがして、だるさがとれたように思えた。
料金は1時間580香港ドル(約6,700円)。といっても1時間中、火をつけられているわけではなく、全身マッサージなどと組み合わせてしてくれるので、火をつけられているのは10分程度。ちなみに不妊治療にもなるらしく、スタッフさんいわく、このホット・マッサージ・セラピーを受けた後に妊娠できた女性が数十人はいるという。
鉄のフォークで頭や顔をゴリゴリ
これ以外にももうひとつ、この店にはユニークなマッサージがある。大きなフォーク風の鉄でできた器具を使ってゴリゴリ押される経絡循環推進セラピー「經絡氣通三叉療法」だ。
その特徴は、約10年前に台湾の先生が開発したという三叉(みつまた)器具にある。通常のマッサージは手やひじを使って行うが、より強くマッサージできる方法はないかと考案された。手でマッサージするより力が入るので、むくみがとりやすく、血行が良くなる効果が期待できるという。顔に使えば、スッキリして小顔・美顔になるかも!ということで、若い女性にも人気だ。
それにしても本当に痛くないのか。実際に施術を受けてみると、頭をこの三叉でゴリゴリやられ、イタ気持ちいい。手で指圧されるより力が強いのは間違いない! 余分な脂肪はとってくれそうな感じはする。こちらも1時間580香港ドルだ。
ちょっと変わった香港マッサージ。でも香港在住の日本人らにも人気で、予約もいっぱいの日も多いそうだ。試しに一度トライしてみてはいかがだろうか?