1月11~13日の3日間にわたり開催された「東京オートサロン2013 with NAPAC」では、スポーツカー「86」「BRZ」のデモカーが多数展示されていた。
正式発表から約1年、各社のカスタムパーツも出そろったこともあり、まさにトヨタ、スバルの期待通りの展開だろう。パワー重視か、スタイル重視か。クルマづくりの楽しさにあふれた「86」「BRZ」の出品車をずらりと並べてみた。
「TREASURE ONE TOYOTA 86」はホイールに「THE MAX☆ORIDO MAX01」を装着し、レーサー織戸学氏のこだわりを忠実に再現している。ヘッドライトはPORTEのHID、ルームランプはPORTEのLEDを装着した。「Abflug×PentRoof Spiral 86」はエクステリアにAbflugのエアロパーツとホイールを装着。チューニングはPentRoofが担当した。HKSのスーパーチャージャーを搭載し、コンピュータプログラムをチューンアップした。足回りもHKSパーツを採用している。
「BRZ IPF Edition」は、外装ランプ類を車載照明メーカーのIPFが最適化したもの。ヘッドランプは6200KD4バルブ、フォグランプは985RDドライビングランプ、テールランプはLEDリングテールを装着した。「EXEDY 11A BRZ」は2012年のジムカーナ選手権PN2クラスに参戦した車両で、シリーズランキング2位。クラッチをEXEDY製に、デフをCUSCO製に換装した。「PROJECT-MU 86」は、ブレーキ総合メーカー「プロジェクトミュー」のデモカー。同社のアイデンティティであるエメラルドグリーンの市販品がブレーキに装着済みとなっている。サスペンションは、「EXMOTION ATHLETE'S ORANGE」を採用した。「DARE DEVIL86」は、ドレスアップブランドを多数扱う「FORTUNE with DROO-P」が手がけたエアロキットを装着している。
「R-SPEC BRZ」は、カーエレクトロニクスのデータシステムが出展した車両。マルチカメラシステムをアピールしていた。オリジナルフロントバンパーとカーボンボンネットでドレスアップ。オリジナルBasstar Euroマフラーと19インチタイヤを装着している。
「SCREEN & D2JAPAN86」は、D2japanのブレーキ、サスペンションシステムと、スクリーンオリジナルECUを装着した開発車両で、「車検対応で最速」がコンセプト。車高調対応D2japanサーキットダンパー、D2japan356mmブレーキシステムを前後に装着。「カーステーション マルシェ BRZ」はスバル車のチューニングを得意とするショップ。展示車はプレミアムスポーツとして追求し、HKSスーパーチャージャーとオイルクーラー、ENDLESSのサスキットを組み合わせている。
「garage G/FORCE」の「NOB 86」は、2011年の「SUPER GT」GT300クラスでシリーズチャンピオンとなったレーサー、谷口信輝氏の愛車。マフラーとサスペンションにHKSのパーツ、ブレーキに「PROJECT μ」を装着した以外は明らかにされていない。「TOPFUEL 86 タイプRR」は、GTS7040スーパーチャージャーとTOPFUELオリジナル車高調キットを装着し、クルマ全体のバランスを崩すことなくチューニングを施したという。エアロパーツはイングス・フルエアロをまとう。
「OKUYAMA 86」はボディ補強パーツなどで知られるオクヤマが手がけた。サーキットのタイムアタック仕様だが、エンジンはノーマルのまま。市販パーツの可能性にチャレンジした。「SILK BLAZE 86」はインテリア、エクステリアで複数のブランドを展開するケースペックから。立体感のあるエアロキットとマフラーが「SilkBlaze」ブランド。サスキットはHKS製。老舗エアロパーツメーカーのDAMDは、「86」をレクサスLFA風に見せる遊び心を見せ、マウラーもLFAと同じ3本出しとなっている。
「DAMD LFT-86」はAVO製ターボキットも搭載したストリート仕様。「DAMD LFT-86 Black ver.」はプレミアムスポーツをめざし、カーボンマテリアルを使用して高級感を演出した。「バンドウカーボンジャンキーアドバン86」は、2011年からGT500に参戦する「Weds Sport」の作品。筑波サーキットで1分を下回り、日本最速の「86」を主張する。ターボチャージャーを搭載して最高出力は410ps、ホイールにオリジナルのドライカーボン製を装着した。「速い、軽い」がコンセプトとのこと。
目立ち度抜群の「ガルウイング86」は、なんと足回りをおもに手がけるBOLD WORLDから。もちろんサスキットはBOLD WORLDでまとめている。
「SPORTDESIGN TOYOTA 86」は、外装に機能性と美しさを高次元で融合させたエアロパーツ、内装はカーボンルックインテリアをコーディネートしたスペシャルティカー。デザインに独特のこだわりを持つ「Grazio & Co.」の作品だ。
国内外のクルマにエアロパーツを提供するWALDも、「86」対応品をラインアップした。「WALD SPORTS LINE」は、フロント・サイド・リアのエアロキットのほか、オーバーフェンダー、エアロボンネット、リアウィングを装着し、排気系はD.T.Mのオールステンレスマフラーを装着している。「DAIE-MOTORS Version 86」は、「Daie-motors」「Garage ITO」「RANDO SPORTS」の3社がコラボした統一ブランド「DIR」の1台。ダイエーモータースバージョンだ。DIRectのフルボディキットをまとい、マフラーにDAIE-MOTORSのオリジナル版をセットした。エンジンにはAUTOBAHN88のサクション&ラジエターホースキットを投入している。
「GARAGE-ITO Version 86」は、DIRブランドのガレージ伊藤バージョン。サーキットでのタイムアタックを狙うチューニングカーだ。マフラーとEXマニホールドはガレージ伊藤製。フロントバンパーはLED DAYLIGHT&ウィンカーKIT付き。サイドステップ、アンダーディフューザー、LEDバックランプ付リアバンパー、左右2本出しマフラーは純正マフラーに対応する。公道走行は不可。「RANDO SPORTS Vesion 86」は、DIRブランドのRANDO SPORTSバージョンで、ストリート&スポーツ走行を楽しむスタイリッシュ仕様。
「mulsanne with DSPEED86」は、2013年レーシングECO耐久参戦車両。ENDLESSの車高調整キットをミュルサンヌで最適に調整し、ブリレーキとボディを強化した。「TEAM SHOW ADVAN TOYOTA86」は、オートサロンのアンバサダー(親善大使)を務めた哀川翔さんのコンセプトモデルだ。哀川さんがラリーに参戦するため、「86」をラリー仕様に改造。レーサー奴田原文雄選手が開発に携わった。TEIN製サスキットを装着する。
「club NE 86」は、ネッツ兵庫のオーディオ事業部のブランド「NE-STYLE」の1台。TOM'sのエアロキット、マフラーを装着し、カロッツェリアのカーオーディオとナビゲーションシステムを搭載し、スピーカーとサブウーハーを増設して音にこだわる。サスキットはオリジナルとのこと。
ネッツトヨタ千葉はトヨタ正規ディーラーでありながら、オリジナルの「86」用エキゾーストマニホールド「鬼マニ」を発売している。商品名はマスタースタッフ鬼崎弘氏の名前から。エアロキットや足回りはTRD製を使用。
「PROVA BRZ」は昨年に参考出品したパーツを製品化した。エアロキット、ドレスアップパーツは、「車両デザインを崩すことなく、スタイリッシュかつ機能美あふれる姿」をテーマに開発。サスペンションキットはオーリンズ製。「HKS Racing Performer 86 RS-1」はHKSが送り出す「86」のモンスターマシン。2012年の「D1 GRANDPRIX」に参戦した車両で、最高出力は607psをマークする。
「GReddy FR-S」は、「86」の輸出仕様「サイオンFRS」をベースとしたチューンドカー。GReddyとROCKETBUNNYによるエアロキットで仕上げたボディの中身は、T518Zタービン・専用インテーク・専用インタークーラー・ターボキット用メタル触媒付きSUSマニホールドを仕込んだ合法ミドルスポーツ。最大出力は280ps。
「マジカルカーボンハセプロTOYOTA86」はベストカーが出展。ハセプロのマジカルカーボンとマジカルアートシートをボディ全体に貼り、精悍なイメージに仕上げている。2012年全日本シーズンの最終戦、新城ラリーでデビューした。「GAZOO Racing ラック86」は全日本ラリー参戦車。開発ドライバーは総合チャンピオンの勝田範彦選手。第6戦の丹後半島ラリー、第7戦のRALLY HOKKAIDOで、クラス2位に入賞している。
「ベストカーwithモンスター86」は2012年全日本ラリー参戦車。最高位はクラス4位。ドライバーは全日本通算44勝を挙げた粟津原豊選手が復活し、2013年シーズンに向けて飛躍を誓う。「CRAZY GT86」は、マカオGPに出場した世界で唯一の「86」。600ps級のライバルに対し、200ps、軽量化、空力、サスチューンで対抗した。トヨタ自動車同好会が作ったコンペティションカーだ。トヨタ自動車同好会はトヨタ、販売店、部品メーカーの社員からクルマ好きが集まって結成されたという。
「FT86」は昨年も出展されたニュルブルクリンク耐久選手権VLN9参戦車。2011年に初参戦で3位完走。その経験をもとに、2012年はニュル24HレースでSP3クラス優勝。6位と合わせて2台が完走した。今年のオートサロンの出展は「凱旋」といえる。「GAZOO Racing TOYOTA 86」は、2012年スーパー耐久シリーズ第4戦岡山から参戦。最終戦のオートポリスでクラス3位入賞を果たした。ドライバーは影山、井口、蒲生選手。
トヨタとスバルは2013年夏からワンメイクレース「GAZOO Racing 86 / BRZ Race」を開催。「86 Racing」はその参戦用車両として2012年10月に発売された。展示車両はデモレースの参戦車両とのこと。「SUBARU BRZ ワンメイクレース車」は同じレース参戦車の「BRZ」版。こちらはスバルテクニカインターナショナルを通じて販売予定だ。
「86 TRD Customize Concept」は内外装、駆動系、足回りにTRDパーツの新製品や参考出品を装着。コーポレートカラーのレッドとフロントマスクは派手だが、全体的なスタイル自体はおとなしい。タイヤは15インチとサイズダウン。キビキビとした走りを感じさせる。「AREA86 CUSTOMIZE PARTY 86」はトヨタディーラーに設置する「AREA86」向け商品を提案する「AREA86カスタマイズ事務局」の参考出品車。
「CRYSTALEYE FT86」は高級ホイールメーカーのブレイントレーディングが出展。GReddyのエアロキットを、カスタムショップ「BODY SHOP KIKUTA」がリファインし、オートレンズショップ「CRYSTALEYE」の最新作「FT86用クリスタルイアイファイバーLEDテール」を装着。「ランデュース86-GT350spec」はオリジナルランデュースのトータルチューンドカー。ランデュース鍛造ピストン、コンロッド、HKS GTスーパーチャージャー、軽量プーリー、Bigスロットルで力強い走りをめざす。エアロキットはVARIS。
「ZELE 86 Complete Proto」は、ゼルパフォーマンスのトータルコーディネート。コンピュータチューンとマフラー、車高調キット、ドレスアップパーツを装着。「VLESS トヨタ86 1号車 For ストリート」は、オリジナルエアロボディに2本出しのチタンマフラーで、「86」をスタイリッシュ&スポーティに変貌させた。サスキットは「A'PEXi N1エボリューションダンパー」。タイヤは19インチ。
「オートファクトリートヨタ86」は、「ワインディングからサーキットまで通用する究極のコーナリングマシン」をめざしたチューンドカー。サスキットはJ-TECオリジナルPCRダンパーKIT、デフに5.1ファイナル、クスコ改1way LSD。駆動系はJ-TECプログラミングECU system2、J-TECクーリングシステム、TRC-VSCパーフェクトカットシステムでコーナリングの立ち上がりを強化した。「Lxry hanes LH013 BRZ」は、「BRZ」にラグジーヘインズスポーツの新作ホイール「LH013」を装着。ブラックボディとブラック&ブルーのホイールで精悍さを強調した。
「BRZ street version」は、三菱とスバル車専門のパーツショップ「YR-Advance」と、自動車アフターマーケットを世界へ向けて発信するエンジニア集団「PREMIUM JAPAN」のコラボレーション。YR-Advanceの67ファイスロットル、PREMIUM JAPANのオイルクーラーなど両社得意のパーツを取った。「A-CUBE JEMEIRAH86」は、GReddyワイドバージョンの外観と、HKS GT7040スーパーチャージャーフルキットの組み合わせ。
「エーキューブ86」は、ジュメイラオリジナルのサスキットを組んだコンセプトカー。「ESPRIT 86 Turbo」はHKSのタービン、BRGレガシイ純正ピストン&コンロッド、HKSの6速シーケンシャルギアなどを組み合わせた異色のチューン。エンジン搭載位置の20mmほどバルクヘッド側にオフセットして、トータルバランスを調整している。筑波2000コースのベストタイム1分3秒842をマークした。
「LEG MOTOR SPORT 86」は、広島県のチューニングショップが究極のライトウェイトスポーツをめざして製作した。エアロパーツ、吸排気系、サスキットにオリジナルパーツを開発している。すべて市販または市販予定の商品。「Revolution 86」は埼玉県のチューニングショップから。長年のサーキット経験をオリジナルパーツにフィードバックするというコンセプトだ。ラインアップは排気系、ミッション、エアロパーツ、ビッグスロットル、コンピュータチューンなど多岐にわたる。
「R Magic 銀八六」は、神奈川県でマツダロータリー車を得意とするチューニングショップの新プロジェクト。オリジナルビッグスロットルに合わせて純正ROMを書き換え、排気系、剛性アップパーツも自社開発。もちろんエアロパーツもオリジナル。「Rusty 86 turbo」は千葉県のチューニングショップ。HKSのGT-RSタービンを主軸に、HKS、ブリッツのパーツでまとめつつ、ターボチューンのタービンアウト、エキゾーストを自社開発するこだわりを見せる。エクステリアはTRDのスポイラーと自社開発のウィングとなっている。