ロケットの製作を通じて日本の宇宙産業をリードする人材の育成を目的に設立されたインカレサークル「CORE」。良活プロジェクト内で募っているのが、来年3月に上空1キロまで打ち上がるロケットの製作資金。製作の佳境を迎える現在の状況をうかがった。

「メンバーは25名ほど。さまざまな大学からメンバーが集まって製作をしているので、集まる時間をなかなか取れないのが1番大変なことですね」(代表・小布施 聡さん)ロケットが完成するまでにかかる期間は3カ月ほど。その中でチームとして全員で作業する機会は3回しかないのだとか。それ以外は各個人で作業を進めている。とはいえモノづくりをチームでする上で密なコミュニケーションは必須。そのためにCOREはさまざまな工夫をこらしている。「対話から問題解決のヒントを得ることもありますし、機体、電装、燃焼などのチームに別れて作業しているので、それぞれの作業進捗の報告なども不可欠。だからメーリングリストを使ったり、LINEを使ったりと、いろんな手段で密にコミュニケーションするようにしてます」(堀 恭暢さん)

取材時にはちょうどロケットの頭脳である箇所のマイコンのプログラミングをおこなっていた。これによってロケットに搭載されたさまざまなGPSや加速度センサーで飛行位置の確認やデータを収集することができる。さらに今回は上空1キロからパラシュートを飛ばす設計になっているのでその指示をする役割も果たす。「最初は手探りで、いろんな方々に相談しながらやってます。あとはグーグルで検索すれば大概の事はわかるんですよ。あとはもうホントに試行錯誤を繰り返しながら作ってます」(冨岡孝太さん)

COREの活動を通して勉強していることは、大学の授業ではもちろん、社会に出てもそう学べるものじゃないともメンバーは語る。最後にロケット製作を通して今後どんなことを実現したいかをうかがった。「今回の1キロのロケットが成功したら次は10キロにチャレンジしたいですね。その次は100キロに。ここまでくれば小型衛星が打ち上げられて、ビジネスとしても展開できるようになりますから」(富岡さん)、「世の中の困った! の解決策を宇宙を通して叶えられれば……というのが目標。だからビジネスとしてなにができるか、いつも模索してます」(小布施さん)、「宇宙に行くというのは、子供の頃からの夢。でも今は宇宙飛行士になるか、大金持ちになって何十億か積んで行くとかしか選択肢はないですよね? でも、ロケットの技術が発達すればコストその敷居はどんどん低くなる。将来的にはそのその手助けができるようになりたいですね」(堀さん)、「正直、みんなと違って宇宙が好きで……という動機でCOREに入ったわけじゃないんです。メンバー内でも希少な文系の学部に在籍していますし。将来的に起業を考えていて、未開拓分野の市場の勉強ができればと思い、入ったんです。今後は宇宙となにかを組み合わせた新しい価値を生み出すようなビジネスを考えていですね」(山崎さん)。

CORE設立の当初の目的でもある日本の宇宙産業をリードする人材の育成を達成すべく、 メンバーそれぞれ日々自己研鑚に励んでいる。