マウスコンピューターのデスクトップPCでは、MicroATXマザーボードを搭載した小型タワーの「LUV MACHINES」、スリム筐体を採用し省スペース化を図った「LUV MACHINES Slim」がボリュームゾーンの機種として用意されているが、スペック・拡張性でそれらの上位に位置づけられるのが、ATXフォームファクタのミドルタワー型モデル「MDV ADVANCE」だ。
今回、その中でインテルZ77チップセットを搭載する「MDV ADVANCE SZ」シリーズの「MDV-AGZ7120B」(販売価格79,800円)を試用したので、ケースや構成の詳細と実際のパフォーマンスについて詳しく紹介しよう。
ATXサイズが生む拡張性と互換性
同社のデスクトップPCはいずれも、パワーユーザーの要求に応えられる仕様となっているので、ミニタワー型の「LUV MACHINES」シリーズであっても、Core i7やGeForce GTX 680などの高性能パーツをふんだんに搭載した構成でオーダーできる。このため主要スペックだけを比べると、ハイエンドモデルである「MDV ADVANCE」シリーズのアドバンテージが見えにくいかもしれないが、実際にケースに触れてみると、やはりフラッグシップ機種にはそれなりのゆえんがあることがわかる。サイドパネルを開けてみよう。
「MDV ADVANCE」シリーズは、ATXフォームファクタのマザーボードを採用しているのが特徴のひとつだ。これは多数の拡張カードを装着できるというメリットにつながっており、このMDV-AGZ7120BではPCI Express x1スロット3本、PCIスロット2本を空きスロットとして利用できるようになっている。特に、最近はPCIスロットを備えていないデスクトップPCも少なくないので、長年使い続けているPCI接続のアナログビデオキャプチャーカードやサウンドカードなどを利用したいというユーザーには、本機のようなマシンの意味は大きい。
ストレージ用のベイも充実しており、脱着式HDDホルダーを備えた3.5インチベイが4基、ネジ止め式の3.5インチベイが2基、本体前面からアクセスできる5インチベイが3基用意されている(標準構成では3.5インチベイ1基にHDD、5インチベイ1基にDVDスーパーマルチドライブを搭載済み)。テレビの長時間録画などで大きなストレージ容量が必要なユーザーや、信頼性やパフォーマンスの向上をねらって、RAID構成を組むユーザーにも対応できるベイ数といえるだろう。
また、サイドパネルのグラフィックスカード搭載部付近や、ストレージ搭載位置に近い本体前面両サイド部分には、吸気用のエアホールが設けられているが、さらにエアフローを高めたいユーザーには、BTOオプションでフロントパネルをメッシュパネルに変更することもできる(本稿の本体写真はメッシュパネル搭載時の外観)。そのほか、フロント部に追加するための12cmケースファンや、CPUクーラーも通常の空冷式に加え水冷式クーラーが用意されているなど、パワーユーザーのニーズを意識した構成になっている。
電源は標準で500Wのユニットを搭載するが、将来パーツのアップグレードや増設を行いたいユーザーは、オプションで700Wまたは1000Wも選択できる。いずれの電源ユニットも80PLUS GOLD認証を取得しており、低負荷時にも高負荷時にも高い変換効率を実現している。
なお、本機は前面にSD/microSD(アダプタ不要)/メモリースティック/xDピクチャーカード対応のカードリーダーを装備しているが、これはUSB 3.0ポート、ヘッドフォン、マイクの各端子とあわせてケースに直接実装されている。同社の従来機種では3.5インチベイを利用するオプションとしてカードリーダーが提供されていたものもあるが、標準装備かつベイを消費しないという点ではこの形態のほうがベターだ。