パラマウントベッドの睡眠研究所はこのほど、ニュースレター「快眠ペディア」で「睡眠と学習能力の関係」に関するレポートを公開した。
試験前の一夜漬け、徹夜の試験勉強は効果なし?
同ニュースレターのテーマは「6時間睡眠でも足りない!? 眠らないと覚えられない!? 睡眠と学習能力の関係」。睡眠はただの休息ではなく、睡眠中に情報の再処理が行われているのは間違いがない、という現在の科学的知見について紹介している。
最新の睡眠研究などから、睡眠は日中に獲得した情報を再処理し整理と定着を行っている時間でもあると考えられており、「その日学習したことは、夜眠ることによってより身につく」としている。特に学習したその日の睡眠がかなり影響するということがわかっており、「一夜漬けの試験勉強は身にならない」とのこと。
試験前は特にノンレム睡眠が重要
一晩の睡眠では、前半に深いノンレム睡眠が多く、後半にはレム睡眠が多いというリズムを刻む。また、記憶には言葉として覚えられる「宣言的記憶」と自転車の乗り方や泳ぎ方などのような言葉にできない「手続き的記憶」があり、前者はノンレム睡眠で、後者はレム睡眠で学習促進効果が格段に上がるとしている。つまり「ノンレム、レム、両方の種類の睡眠をバランスよくとることが大切である」とのこと。
壁にぶつかったら寝てしまうのも得策?
さらに、簡単に解くことができる隠れたルール(裏技)のある計算テストにおいて、その裏技に気づいた参加者の割合を調べた実験では、「最初のテストをした後、睡眠をとった場合(Sleep)のグループ」が格段に好成績を示した。つまり、「十分な睡眠は"ひらめき"を促進するということを示唆する」としている。
理想的な睡眠時間は大人が7時間、子供はそれ以上必要
学習促進効果を上げるのに必要な睡眠時間は、「個人差や年齢による違いがあり、一概に表すことはできない」としながら、「通常、ノンレム睡眠とレム睡眠が理想的なリズムを刻むには大人で7時間ほど、子どもではもっと長い時間が必要になる」と結論づけている。
同社は全国5店舗(東京、札幌、名古屋、大阪、福岡)のスマートスリープ直営店で、同研究所が開発した睡眠計「眠りSCAN」で睡眠改善アドバイスを提示するサービス「スマートスリープチェック」を行っている。