キヤノンは1月16日、1,920×1,080ドット/60p記録対応のデジタルビデオカメラ「iVIS(アイビス)」の新モデル「iVIS HF G20」を発表した。発売は2月下旬で、価格はオープン。推定市場価格は108,000円前後となっている。
同社のプロ用ビデオカメラ「XF」シリーズと同等の1/3型 HD CMOS PROセンサーを撮像素子に採用するモデル。セルサイズが大きくなり、受光面積が「iVIS HF S21」に比べて約2.6倍となっており、解像感の高い映像を記録できる。また、CMOS上のマイクロレンズとカラーフィルターの透過率を改善することで、「iVIS HF G10」との比較で感度が約20%向上し、最低撮影照度約1.2ルクス(シャッタースピード1/30秒)を実現した。
また、フォトダイオードの面積や深さを増加させ、より多くの光を電気信号に変換可能となった。これにより、ダイナミックレンジが広くなり、階調表現力が向上。明暗差の大きいシーンや人肌などの階調も自然に表現できるようになった。
画像処理エンジンは、キヤノンのプロ用ビデオカメラに搭載されている「DIGIC DV III」を採用。情報量の多い信号の処理が可能となっており、なめらかなグラデーションの再現や色彩の正確な表現できる。
撮像素子の改良に合わせてレンズも改良されており、移動するレンズ群を増やして広角端での収差を低減したほか、ズームと防振(手ブレ)を担うレンズを1つに集約した「3次元リアルタイムレンズ機構」を採用。これにより、動画撮影時に同時に行う必要があるズームと防振をスムーズに行えるようになっている。
ブレ補正機能は、同社製デジタルカメラの他モデルですでに採用されている「マルチシーンIS」を搭載。撮影状況に応じて、「ダイナミックモード」「パワードIS」「マクロIS」「三脚モード」と4つのブレ補正モードを自動で切り替える。
主な仕様は、撮像素子が総画素約237万画素の1/3型HD CMOS PROセンサーで、焦点距離が動画記録時・静止画記録時(16:9)ともに30.4~304mm(35mmフィルム換算時)、光学ズーム倍率が10倍、有効画素数が動画記録時・静止画記録時ともに約207万画素(16:9)、最低被写体照度が1.2ルクス(1/30秒撮影時)。
モニターはタッチパネル方式の約92.2万ドット・3.5型液晶で、撮影データ記録用に32GBのメモリを内蔵するほか、SD/SDHC/SDXCカード対応のメモリーカードスロットを2基備える。動画記録形式はAVCHDおよびMP4。
液晶モニターのほかにも、背面に大型アイカップ付きのビューファインダーを搭載。ビューファインダーの液晶パネルは約26万ドット・0.24型となっている。
サイズはW77×D161×H78mmで、重量は約620g(撮影時)。