いよいよ2013年がスタートしました。昨年の一年間、皆さんは何冊くらいの漫画を読みましたか? まだまだ読み足りなかった……と思ってはいませんか?
新しい年の始まりこそ読書の習慣をつけるチャンス。漫画をまとめ読みするのにこれほど適した時期もありません。通勤電車の中や、家での休息のお供に、Renta!で漫画を借りて読んでみるのはいかがでしょう。何しろ電子貸本サイト「Renta!」なら365日24時間営業中なのですから。
今回はあえてジャンルを限定せず、読書習慣をつけるためにまず読んでみてほしい良作漫画を厳選してピックアップしてみました。老若男女問わずオススメできる作品ばかりですよ。
ナポレオン -獅子の時代-
歴史の教科書にも載っているフランスの皇帝・ナポレオン。おそらくこの人の名前を知らないという人はいないでしょう。しかし、その生涯を事細かに知っているかというと、これは知らない人の方がむしろ多いのではないでしょうか。
本作は、そんな皇帝ナポレオン・ボナパルトの生涯を幼少期から描き出し、動乱の時代にあったフランスという国の姿を鮮明に描き出していく歴史ロマンコミックなのです。
物語はナポレオンがすでにフランスの実権を握った後の戦いである「アウステルリッツの戦い」から始まります。ロシア・オーストリア連合軍との激しい戦いに、天才的な軍略をもって見事に勝利を収めたナポレオン。いったい彼はどういった生まれで、そしてどうやってフランスの最高権力者の座にまで上り詰めたのか――。
アウステルリッツの戦いで一気に読者を引きつけたところで、物語は一気にナポレオン誕生までさかのぼります。舞台はコルシカ島。フランスに支配された島で生まれたナポレオンは、フランスへの復讐心を持ったまま成長し青年となりますが、その後はある出来事がきっかけでコルシカ島への思いを捨て、フランス革命の動乱へと身を投じていくことになるのです。
本作のポイントは、とにかく出来事の一つ一つが濃密に、そして丁寧に描かれていること。ナポレオンが誰と出会い、どんなことを思い、そして成長していったのかが、とにかく丁寧に描写されています。かなり破天荒なところがあり、クセの強い性格の主人公ではありますが、そうやって丁寧に描き出されたナポレオンに寄り添っていくうちに、不思議と読者は彼に感情移入してしまいます。
特に前半のフランス革命編は必見! ナポレオンのみならず、ロベスピエールやサン・ジュスト、ポール・バラスやフーシェといった、歴史好きにはおなじみのオールスターが登場し、熱い展開が繰り広げられます。歴史物の宿命で、その後の大まかな展開についてはすでにわかってしまっている、つまりネタバレしてしまっているわけですが、それでもページをめくる手が止まらないのは、作者の類まれな脚本力と人間味あふれる魅力的なキャラクター造形によるもの。
教科書の味気ない記述では絶対に味わうことのできな歴史の醍醐味を、ぜひこの作品でご賞味あれ!
人間仮免中
「このマンガがすごい! 2013オトコ編」で3位にランクインしたので、タイトルはご存知の方も多いでしょう。しかし、この作品がどう"すごい"のかは、最後まで読んでみないとわからないのです。
作者は卯月妙子。元AV女優で、統合失調症。夫の借金や自殺を経験するなどの波瀾万丈な人生を送ってきた36歳の女性です。本作はそんな彼女が25歳年上のボビーと出会い、一緒に暮らすようになってからの生活を描いたユーモラスなエッセイ。
……という感じで途中までは進むのですが、ある大事故を経験してからの後編が、実は本作の核とも言える部分です。
顔面崩壊や失明を経験し、それでも「漫画を書きたい」と思う作者。その表現者としての執念には圧倒されるものがあります。
結果として書かれたのが、この「人間仮免中」なわけで、これがすごくないわけがない。軽いタッチについ油断してしまいそうになりますが、本作はかなり読み手の精神への影響力の強い作品です。もしかすると心が疲れているときに読むのは危険かもしれません。大人になって、あらゆるエンタメ作品とは一歩距離を置くクセがついてしまい、ちょっとやそっとでは心が動かなくなった筆者ですが、本作はそんな距離感を一気にぐいっと詰め寄って、心を鷲掴みにしてくるパワーを秘めた恐るべき漫画だったのでした。
ジャンク・ボーイ
国友やすゆきというと、現在フジテレビ系列で放送中の昼ドラ『幸せの時間』の原作者として有名です。
そのほかにも現在はビッグコミックスペリオールで『総理の椅子』を連載しており、いずれもドロドロした策謀や人間関係を主軸にした話なので、そういうのが得意な作家なのかなと思いがちですが、実は昔はぜんぜんテイストの違う漫画を描いていました。
それが、1985年から4年間『週刊漫画アクション』に連載していた『ジャンク・ボーイ』です。『幸せの時間』もRenta!で借りることができるので、こちらもオススメですが、ここではあえて『ジャンク・ボーイ』をオススメしたいと思います。
主人公はお調子者でスケベな青年、良平。華やかなマスコミ業界に憧れていた良平が潜り込んだのは、週刊誌『ポテトボーイ』編集部。美人編集長・由貴や、アイドルに囲まれて、半人前記者・良平のドタバタな毎日が幕を開けたのでした――。
本作の魅力は、良平や由貴をはじめとする個性豊かな登場キャラクターの面々と、トラブル満載の編集部ライフ。スケベではあるものの、竹を割ったようなわかりやすい性格の良平には好感が持てますし、ストーリーも毎回テンポがよくサクサクと進行するので、どんどんと読み進めてしまいます。
80年代、バブル真っ最中の作品であるため、現代とはかなり異なる価値観もちらほらと見えたりするのですが、それも作品の味ということで楽しめるでしょう。