x86のJaguarコア最大4基でGCN統合のSoC APU、KabiniとTemash
一方、タブレットPCやより低消費電力の超薄型ノートPC向けのAPUとしては、同社としては第2世代の省電力x86 CPUコアアーキテクチャとなる"Jaguar"(ジャガー:開発コードネーム)を最大4基搭載し、South Bridge機能もAPUに統合したSoC(System on Chip)の"Kabini"(カビニ)と"Temash"(テマシュ)を、今年前半に市場投入することも明らかにした。
両SoCとも、グラフィックスコアにGraphics Core Next(GCN)アーキテクチャが採用され、タブレット向けのTemashでは、現行のHondoコアのAMD Z60に比べて倍以上のグラフィックス性能を発揮すると言われる。また、統合されるSouth BridgeではUSB 3.0対応もされる見通しだというが、現時点でどの製品で対応が果たされるかなどの詳細は明らかにされていない。
薄型ノートPCや省スペースデスクトップ向けには、Jaguarコアを搭載したKabiniが用意され、これらの製品もAMD Aシリーズの仲間入りを果たす |
KabiniベースのノートPCの処理時間が47206ms(スコアは2118)なのに対し、Core i3ベースのUltrabookは67231ms(スコアは1485)もかかると、そのグラフィックス性能の高さをアピール |
動画 |
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KabiniとCore i3ベースのUltrabookによるグラフィックス処理のパフォーマンス比較 |
KabiniはTDP(Thermal Design Power)が15W以下で、現行のAMD CシリーズおよびEシリーズ(Brazos 2.0コア)の後継にあたる。一方のTemashは、TDPが5W以下とされ、タブレットPC向けのAMD Zシリーズの後継にあたる。しかし、AMDは次期省電力APUの大幅な強化に伴い、APUブランドの整理を行ない、両製品ともAMD Aシリーズの下位モデルとして、AMD A6またはA4として市場投入する意向を示している。
Temashは、世界初のx86クワッドコアCPUとGCNグラフィックスの優れた性能と、Windows 8のフル機能をタブレットPCにもたらし、"パフォーマンスタブレット"という新しいカテゴリを創出するとアピール |
今回の発表会では、ノートPCの相手先ブランド製造ベンダーである、WistronのTemash搭載タブレットPCによるゲームプレイのデモが公開されたほか、昨年後半にPC市場への参入を表明したアメリカのテレビベンダーVIZIOが、新しいAMD Aシリーズを搭載した製品群を順次市場投入する意向を表明した。