体重と支払い保険金の額

アニコム損保を中核とするアニコムホールディングスは、犬や猫の過体重が、さまざまな病気に悪影響を及ぼすことが疑われていることから、肥満と病気の関係について調査をおこなった。

体重が重い犬ほど保険金の額は高い傾向に

2008年4月1日以降にアニコム損保に契約したシー・ズーのうち、体重情報を保有する2,700頭を対象に、同一犬種における体重と保険金(診療費)について調査を実施。

年間支払保険金の額を体重別に集計し、1頭あたりの平均を示したところ、体重の重い犬ほど支払保険金の額は高い傾向があることがわかった。

これは、体重が重い程治療薬の用量が多くなるといった要因も考えられる一方で、過体重の影響により疾患の発生が増え、保険金の額の支払いが増えている可能性が考えられる。

なお、体重の登録日は不明であり、今回利用した体重データ、保険金支払い対象となった診療時の体重は同一とは限らないとのこと。

体重の違いで、病気の内訳に違いが発生

グループ別の請求件数の内訳 6.5キログラム未満

グループ別の請求件数の内訳 6.5キログラム以上

体重情報を持つシー・ズー784頭を対象に、体重6.5キログラム未満を体重の軽いグループ、体重6.5キログラム以上を体重の重いグループとして分け、保険金支払い理由となった病気の構成比を集計。

同一犬種においても、体重によりかかった病気の種類が異なるかどうかについて調べたところ、体重の重いグループと軽いグループでは、病気の内訳に違いが見られた。

体重の重いグループでは軽いグループに比べ、皮膚の疾患が約1.4倍、消化器系の疾患が約2倍、筋骨格系の疾患が約24.2倍という結果であった。

同社では、体重増加によりその発生に影響するような疾患が増えたために、体重が重いグループの疾患の構成比が異なっている可能性が考えられると分析。

今回の調査について、「疾病と肥満との因果関係を調べるためにはボディーコンディションスコア(BCS)、罹患(りかん)率、年齢等を考慮したさらなる調査が必要であり、犬種ごとの疾病の傾向の違いなども考慮して、さらなる調査を進めていきたい」とまとめている。

詳細は、同社公式ホームページ「家庭どうぶつ白書」から見ることができる。