映画監督の山田洋次、俳優の武田鉄矢が7日、都内で行われた『山田洋次・名作映画DVDマガジン』(790円 講談社刊)の創刊発表記者会見に出席した。

『山田洋次・名作映画DVDマガジン』の創刊発表記者会見に出席した武田鉄矢(左)と山田洋次監督

1月8日から発売される同DVDマガジンは、数々の名作を世に送り続けている山田洋次監督の映画監督50周年記念企画第2弾。数多くの作品から、創刊号の『幸福の黄色いハンカチ』をはじめ厳選された26タイトルの完全版がDVDで甦るほか、毎号に収録映画公開当時の復刻版ポスターなどの特典がついている。創刊号が1月8日に発売され、第2号以降は隔週火曜日に発売。全25巻で18巻のみ2作品を収録し、創刊号以外は1,590円となる。

山田監督は「振り返ってみたら、色んな作品で家族の映画を作ってきました。そんなつもりはありませんでしたが、家族の映画を作って来たな~と思いますね。まだ見たことのない若い方に見る機会が増えたことを心からうれしく思っています」と感慨深げ。一方、創刊号を彩った『幸福の黄色いハンカチ』で役者デビューを飾った武田は「下痢をするシーンは大いに張り切っていましたが、『何故笑っているのか?』と言われたことを今でも覚えています。『武田くん、喜劇とは泣きながらやるんだぜ』という言葉は、今だに忘れませんね。監督の言葉がプレッシャーに感じましたが、男・高倉健が励ましてくれました。あの物語の一コマ一コマは僕にとって大事なスタートラインで教科書です」と公開から35年が過ぎた現在でも、山田監督からの言葉が身に沁みている様子だった。

また、山田洋次監督作品の魅力について「スクリーンの中にその場面の温度がある」と武田。さらに大学生だった頃には先輩から1970年公開の『家族』を勧められたそうで「あれを見た時は涙ぐみましたね。笠智衆さんの演技を見た時は身につまされました」と振り返り、「先輩には『倍賞千恵子のような嫁をもらえ。気をつけないかんのは黒澤映画に出てくる女たい』と言われました」と会場を笑わせた。