NVIDIAが携帯ゲーム機の独自開発を計画、Tegra 4搭載「Project SHIELD」
Jen-Hsun Huang氏がTegra 4の発表をひと通り終えたあと、十分に間を溜めてから、「Something New...」として発表したのが、「Project SHIELD」。これは、Tegra 4をベースに、NVIDIA独自の携帯ゲーム機を開発する計画のコードネームであった。
Project SHIELDのハードウェアは、アメリカンな見た目のゲームコントローラに、1,280×720ドットの5型ディスプレイ(タッチ操作対応)をドッキングした形状になっており、メインのSoCにTegra 4を内蔵、制御OSにはAndroid 4.1 Jelly Beanを採用している。インタフェースはHDMI、micro SD、USB、ステレオミニジャックで、無線LANも内蔵する。
ゲームは、NVIDIAのTegraZoneのゲームストアから最適化された高品質のタイトルをダウンロードできるほか、Android 4.1対応のゲームタイトルも当然遊ぶことができる。一般的なAndroid端末として、ブラウジングやメールをはじめ、各種Android向けアプリケーションやサービスなどの利用も、もちろん可能だ。
TegraZoneでダウンロードしたUnreal Engine 3ベースの3Dゲーム「HAWKEN」を、Project SHIELD上で動作させるデモを披露。さらにプレイ画面はHDMI経由で大型TVに出力 |
基本はAndroid 4.1端末なので、もちろん各種Android向けアプリケーションやサービスなどを利用できる |
これはTegra 4の性能を活かし、4KサイズのUltra HD動画をHDMI経由でTV画面に配信している実機デモだ |
Project SHIELDならではの機能として面白いのは、別途GeForce GTX GPUを搭載したPCを用意しておくと、そのPC上で動作処理するWindows向けリッチゲームを、無線経由にてProject SHIELD側にリアルタイム配信し、手元のProject SHIELDハードウェア上でプレイできることだ。これは、家庭内のネットワークで、PC側をゲーミング処理用のクラウドサーバとして利用するかたちとなっている。
この実機デモでは、Project SHIELDからGeForce GTX 680搭載PCにアクセスし、PC側で処理しているリッチなWindows向けゲームを、無線経由でProject SHIELDへ配信してプレイ。そのProject SHIELDでのゲームプレイの画面を大画面TVにHDMI経由で出力している |
また、HDMIを通して、大画面TVにすべてのProject SHIELD上の画面を出力できるので、カンファレンスの実機デモでは、全ての"プレイ"の基点となるコンソール端末としてProject SHIELDを利用するスタイルを提案していた。
何となくソニーの「Xperia Play」を思い出すProject SHIELDだが、カンファレンスでは、これを実際に製品化するのかなど、具体的なビジネスモデルの話は一切語られなかった。ただ、2013年第2四半期にこのまま発売予定という話も聞こえてきており、どうもNVIDIAは本気で携帯ゲーム機市場への進出を狙っているものと見られる。