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『義母と娘のブルース』(ぶんか社刊)

義母と娘のブルース

桜沢鈴による『義母と娘のブルース』は、義母の母娘の絆を描いた感動の"泣き"4コマ。母が病死し立ち直れずにいる父娘だったが、父にも病魔が襲いかかり余命幾ばくかの状態に陥ってしまう。父は、娘ひとりを残して逝くことはできないと新しい母を連れてくるが、そんな事情を知らない娘は当然義母に反発し、壮絶な義母VS娘のバトルが勃発。主人公は、"元スーパーキャリアウーマン"の義母・あきこで、義理の娘であるみゆきと心を通わせていくことが物語の主軸となる。はたして義母と娘は、父が亡くなるまでにわかり合うことができるのか。昨今でも増えてきた長編ドラマ、シリアスな物語を「4コマ」で描くという手法が夫婦3人の関係性―――義母・義娘・仮面の三角関係にうまくハマり、人気を博した笑いあり、涙あり、感動ありの4コマ巨編。

『性別が、ない!』(ぶんか社POP刊)

性別が、ない!

30歳まで女性として暮らしてきたが、染色体検査で両性具有(半陰陽:身体の性別が男性・女性のどちらでもないという体質)と判明した著者・新井祥による『性別が、ない!』。著者のさまざまな体験から「半陰陽」ありのままの日常を、4コマという舞台で笑いに昇華させ、世間的な「半陰陽」のイメージを根底から覆した作品であり、何より著者の「ポジティブに楽しく生き、努力邁進する」というスタイルが作品から伝わってくる。

とはいえ、語り口も理知的、哲学的にならず至極あっけらかんとしており、そこがこの作品の魅力でもある。「半陰陽」を頭の片隅に置いておくことはいいとしても、深く考えずにひとつの作品として楽しむことをおすすめしたい一冊。

オレん家のフロ事情

『オレん家のフロ事情』(メディアファクトリー刊)

『オレんちの風呂事情』は、いときちが現在『月刊コミックジーン』にて連載している4コマ漫画。家で気ままな一人暮らしを送る主人公、男子高校生・龍己は、ある日川で行き倒れていた美青年・若狭を救出するも、彼の正体はイケメン人魚。ちょっとわがままでかわいい居候の若狭と、クールだけど世話焼きさんの龍己のトンデモ生活が描かれている。設定や絵柄からエロやBLをイメージする人も少なくないが、中身はそれらの要素はほぼ皆無のゆるゆるほのぼのな日常。

それでも人気を得ているのは、愛されキャラが多いこともあるかもしれない。女子受けしそうなイケメンキャラ、男子受けしそうなお兄ちゃん大好き妹キャラという相反する男女の趣向を共存させていることも面白く、男女問わず好まれる作品といえる。

以下は、4位に小池田マヤの『聖☆高校生』、5位に阿部川キネコの『お菓子な片想い』、8位に田春菊の『お前の母ちゃんBitch!』、10位に櫁屋涼の『僕と彼女の☓☓☓』がランクインしている。11月の4コマ漫画トップ10は以下のとおり。

順位 作品タイトル 著者/原作者名
1位 義母と娘のブルース 桜沢鈴
2位 性別が、ない! 新井祥
3位 オレん家のフロ事情 いときち
4位 聖☆高校生 小池田マヤ
5位 お菓子な片想い 阿部川キネコ
6位 ひとには、言えない。 さんりようこ
7位 プアプアLIPS 後藤羽矢子
8位 お前の母ちゃんBitch! 内田春菊
9位 どきどき姉弟ライフ 後藤羽矢子
10位 わんぱぐ! 櫁屋涼