ディスプレイサイズが大きくて「すっごく良かった」
さて、ThinkPad X1 Carbonについて以前に行ったレビューでは、外観面やパフォーマンスに加えて、ThinkPadユーザーの誰もが気になるであろうキーボードに主眼を置いて紹介をしたが、普段の仕事や生活の中で使ってみるとそのほかの「良さ」も際立ってきた。
■前回のレビュー記事はこちら
【レビュー】極限まで研ぎ澄まされた新世代ThinkPad - レノボ「ThinkPad X1 Carbon」に迫る
個人的に使っていく中で、特に「これが良かった」という部分で大きいのが、「画面サイズ」だ。最近のモバイルノートPCでは、11.6型あるいは13.3型のディスプレイを搭載した製品が多く、Ultrabookの中でも14型ディスプレイを搭載した製品は数えられるほどだ。ThinkPad X1 Carbonでは、本体サイズを従来モデルよりも小型化しつつ、ディスプレイを13.3型ワイドから14型ワイドへサイズアップしている。
これまでモバイルノートのディスプレイサイズは、13.3型くらいのサイズであれば十分だと思っていた。だが実際にThinkPad X1 Carbonを使うことによって認識を改めた。13.3型と14型という数字だけで見るとそれほど大きな違いがないように感じるが、使ってみると、14型はずいぶんと画面が広い。
職業柄、テキストライティングを行う機会や資料作成をすることが多くなるのだが、そういったときに少しでも表示される情報量が多いことに越したことはない。13.3型と14型を比べてみると表示面積が格段に広いことが分かる。単純に三平方の定理から縦と横の長さを求めて面積を算出すると、14型の方が10%ほど面積が大きい。
何でもないようなわずかな差とも思えるが、テキストを編集しているときも広い範囲を一度に眺めることができると作業効率が高まる……ような気がしてくる。
バッテリが長持ちで「すっごく良かった」
もう1点「良かった」と思うのはバッテリ駆動時間だ。カタログでの公称値は約7.8時間。以前行ったベンチマークテストでは、Windows 7の電源プランを「バランス」、ディスプレイの明るさを「10」、10秒ごとのキー入力設定駆動させたところ、6時間20分という結果だった。
しかし、今回はロードテストということで、普段使いでどのくらいバッテリが持つのか試してみた。電源プランはデフォルトの「バランス」に設定、ディスプレイの明るさは「10」とベンチマークテストと同様の環境で、ThinkPad X1 Carbonを使ってしばらく仕事をしてみた。
利用時間の内訳としておよそ半分がテキストライティング、残りの30%がWebブラウジング、20%が写真などの加工に当てられていた。外出先でメモを取ったり、原稿を書いていたりするときはインターネットに接続していない時間もあるが、おおむねこのような感じで作業している。普段はなかなか自分の仕事時間の内訳を顧みる機会はないが、改めて意識してみると発見がある。
それでは、どのくらいの駆動時間だったかというと、最も長く持った場合で5時間40分、一番短かった場合でも4時間50分程度。大体5時間以上という長時間の連続駆動が可能だった。
はじめのうちは保険としてアダプタを一緒に携帯していたのだが、最近では昼前から夕方くらいのちょっとした外出であれば、かなり余裕でバッテリが持つので、ThinkPad X1 Carbon本体のみを持ち歩くようになった。
ボディが丈夫で何より「すっごく良かった」
実際に本体を持ち運ぶようになると気になるのは堅牢性だ。ThinkPad X1 Carbonはグレードの高い特別なカーボン素材を採用。ボディ側にもマグネシウム合金製のベースカバーとロールケージ構造を備え、ThinkPadブランドらしい堅牢性を維持している。
薄型ノートの中にはインナーケースに入れたうえで、バッグに収めないと心配で仕方がないという製品もあるが、ThinkPad X1 Carbonの場合はPC用バッグにそのままむき身で入れても大丈夫だろうという安心感がある。
実際にPCバッグそのまま入れてもいまのところ問題はない。ためしに2回ほどPCバッグではない普通のトートバッグに入れて持ち運んだりもしたが、傷もついていないし、不具合が発生したということもなかった。この安心感を持ち運べることがThinkPadでも一番のよさではないだろうか。
「8」にしちゃって大丈夫?
さて、目下の課題はこのThinkPad X1 CarbonをWindows 8に刷新すべきかどうかということだ。編集者たるもの新しいものにはすぐに飛びついた方がいいのかもしれないが、せっかく構築した環境を変えるというのも……。
年末年始にじっくりと考えて、次回はその結果をお伝えできればと思う。