我々には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、Windows OSでは頻繁に目にする「プロパティ」だ。
Windows 8キーワード一覧
「アクセス制御リスト」とは
「アカウント」とは
「ユーザーアカウント制御」とは
「アイコン」とは
「デバイス」とは
「パス」とは
「ボリューム」とは
「共有フォルダー」とは
「ホームグループ」とは
「カーネル」とは
「プライベートネットワーク」とは
「レジストリ」とは
「ピン留め」「ジャンプリスト」とは
「デスクトップ」とは
「タスクバー」とは
「エクスプローラー」とは
「Windowsストアアプリ」「デスクトップアプリ」とは
「チャーム(Charm)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは
「プロパティ(Property)」
そもそもプロパティは、所有物や使用権、物体の特性や特質を指す一般名詞だが、コンピューター関連ではオブジェクトが保持する性質を表すデータを指し、例えば音楽データなら、オーディオビットレートなどがプロパティに当たる。Windows 8の場合は、アプリケーションの設定情報やファイルが保持する情報を指す。そのため、プロパティ情報を表示するダイアログは「プロパティダイアログボックス」が正式名称となるが、「プロパティ」「プロパティダイアログ」と略されることも多い。
先ほど音楽ファイルを例にしたが、MP3形式ファイルのプロパティダイアログにある<詳細>タブでは、プロパティとしてビットレート以外にも、「タイトル」「参加アーティスト」などが並列に並んでいる。広義の意味では、これらすべてプロパティに含まれるが、狭義では「ID3タグ」と呼ばれるファイル内部のタグ情報を記録するための規格に分類される。プロパティという単語自体が包括的な意味を持つため、「参加アーティスト」などをプロパティに含めても間違いではないが、異なる呼称があることは知っておくべきだろう(図01~02)。
なお、現在のコンピューター用語としては微妙な用法として、「属性」がある。Windows 8のファイルやフォルダーには「読み取り専用」「システムファイル」という呼称でアクセス可能状態を指す情報を保持しているが、これは事前に備わっている特質や特性を指す場合は「アトリビュート(Attribute)」を使用するのが正しい。「属性」という単語はアトリビュートやプロパティと和訳できるため混合しがちだが、少なくともWindows OSに関してはファイルやフォルダーに限ったアクセス可能状態を指す単語として用いるべきだろう(図03~04)。
阿久津良和(Cactus