JR東海はこのほど、東海道新幹線の地震による脱線・逸脱防止対策を拡大すると発表した。東海地震の際に強く長い揺れが想定される区間や、高速で通過するトンネルの手前など上下線あわせて延べ456kmが対象となる。

地震発生時に車輪が横方向へ動くのを抑制するため、レールの内側に敷設する「脱線防止ガード」の設置や、盛り土・バラスト(線路に敷かれた砂利)などの沈下・流出防止対策、高架橋の補強などを行う。工事費は830億円。2020年3月の完成をめざす。

東海道新幹線では、脱線が発生した際に被害拡大が予想される140kmの区間について、脱線防止ガードの設置を含む対策工事を2009年10月より実施しており、2012年度中に完了する見込み。今回発表された区間と合わせると、東海道新幹線軌道延長(上下)1,036kmのうち、約6割に当たる596kmに対策が施されることになり、同社では脱線時の被害拡大のおそれが大きい区間の対策はすべて完了するとしている。