JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州は21日、来春のダイヤ改正について発表した。ダイヤ改正日は2013年3月16日となる。
東北新幹線で最高速度320km/h運転が実現し、秋田新幹線E6系「スーパーこまち」がデビュー、東海道・山陽新幹線でN700Aも本格的に活躍を始める一方、新幹線200系やJR西日本の特急形電車183系(元485系)、JR東日本に1両のみ存在する123系の運転終了も発表された。各社の発表をもとに、来春のダイヤ改正の概要をまとめた。
上越新幹線で活躍中の200系は運転終了に |
E6系のデビューでE3系も置換えが進められる |
秋田新幹線E6系の投入で、E3系の置換えも進む
東北新幹線はダイヤ改正以降、「はやぶさ」3往復と「はやて」下り1本において、宇都宮~盛岡間の最高速度が300km/hから320km/hへ向上。その結果、東京~新青森間が最速2時間59分で結ばれ、現行の列車と比べて最大11分短縮されることになった。
秋田新幹線では新型車両E6系がデビュー。東京~秋田間の列車15往復のうち4往復がE6系による「スーパーこまち」となり、東京~盛岡間では「はやぶさ・スーパーこまち」としてE5系と併結運転を行う。E6系の宇都宮~盛岡間の最高速度は300km/h(現行の列車は275km/h)。東京~秋田間を最速3時間45分で結ぶ。
ダイヤ改正後、東北新幹線のE5系は3編成が追加投入され、新青森駅発着の列車はすべてE5系での運転に。秋田新幹線の新型車両E6系も4月以降、毎月1~2編成のペースで落成予定で、「こまち」に使用されるE3系を順次置き換えていくという。
上越新幹線では来年1月26日よりE2系による運行がスタートし、3月16日のダイヤ改正でもE2系を追加投入。これにともない、200系はすべての線区での定期列車の営業運転を終了することになった。200系より加速性能の良いE2系に置き換えることで、「とき」の平均到達時分が2分短縮(東京~新潟間2時間5分)される。また、現行の東京~新潟間ノンストップ「Maxとき」1往復は、E2系による「とき」に変更され、停車駅に大宮駅が追加される。
デビュー後も追加投入続くN700A、JR西日本所有の編成も登場予定
東海道新幹線ではダイヤ改正に先立ち、2月8日より最新のN700A(JR東海所有)による営業運転がスタート。6編成が700系に代わって投入され、ダイヤ改正以降、N700系またはN700Aを使用する「のぞみ」「ひかり」「こだま」の定期列車の本数は208本(現在は199本)になるという。N700Aは山陽新幹線(JR西日本管内)も走行する。
JR東海の発表によれば、N700Aは2013年度末までに13編成を投入予定とのこと。JR西日本も来年12月頃にN700Aを1編成投入するほか、2013~2015年度にかけてN700系の改造も行うと発表している。
東海道新幹線の輸送力増強の一環で、新大阪駅ではダイヤ改正に合わせて、新たに27番線を供用開始する。東海道・山陽新幹線では運行体系も一部変更され、早朝時間帯の広島発東京行「のぞみ」を増発。広島駅を朝6時台に発車する列車はおおむね20分おきの運転となり、7時台も計5本の運転に。東京~新大阪間「のぞみ」のうち1往復が区間延長され、東京~岡山間の運転となる。
なお、東海道・山陽新幹線のN700系と700系(ともに16両編成の車両)で提供されてきたオーディオサービスについては、今回のダイヤ改正をもって廃止に。NHKラジオ第1放送の車内配信は継続され、手持ちのFMラジオで聴取できる。
山陽・九州新幹線直通列車については、広島~鹿児島中央間を結ぶ「さくら」1往復を新設。広島駅7時36分発「さくら451号」、鹿児島中央駅20時6分発「さくら458号」が運転される。利用者の多い週末の金曜から日曜にかけて、臨時の「みずほ」(新大阪~鹿児島中央間)も登場。一方、九州新幹線博多~熊本間では列車本数の見直しが行われるとのことだ。
次のページではJRの各在来線のダイヤ改正について紹介する。