俳優の阿部寛、西島秀俊が、阪神・淡路大震災後をテーマに描いたフランス映画『メモリーズ・コーナー』(2013年2月公開)に出演することが21日、明らかになった。

映画『メモリーズ・コーナー』

阪神・淡路大震災後の日本をテーマに、フランス人女性記者と2人の男性との不思議な出会いを描いた本作。フランスの新進気鋭、オドレイ・フーシェ監督自ら脚本を手掛けた。彼女はくしくも阪神・淡路大震災が起きた日と同じ1月17日生まれであり、また、母親の友人の日本人男性が震災の数年後に孤独死したことが、このテーマを取り上げるきっかけになった。そして、2011年3月11日。日本を襲った東日本大震災の惨状をニュース等で目の当たりにし、あらためて災害がもたらす悲劇を語り継ぐべきだと痛感したという。

震災の後遺症に悩む寡黙な男・石田を演じた阿部寛は、「初監督作品である本作で、日本人キャストとスタッフ、日本を舞台にしようと思う、フーシェ監督の強い思いが深く伝わってきました。また、女性の持つ繊細な演出が印象的で、すごくこだわりを持っていらっしゃる監督でした」と監督をたたえ、また、共演の西島に対しては、「私は英語、西島さんはフランス語のセリフがほとんどで、役柄も主人公の女性を通した通訳とゴースト役だったので、セリフでやりあうシーン等はありませんでしたが、とても良い刺激になりました」と語った。

また、フランス人記者の通訳・岡部を演じたのが西島秀俊。西島は「ヨーロッパで活躍されているデボラ・フランソワさんと共演でき、いろんな話もできて、思い出深かったです」と撮影を振り返ると、「海外の俳優さんと並んで演技してみたいという気持ちはいつもありますが、デボラさんのようなヨーロッパの女優さんと同じフレームに入ったら、どう見えるんだろうか? というのは、常に興味がありました」とフランス映画を楽しんでいるようだった。また、共演の阿部に関しては「非常に真面目な方で、いつも一生懸命に役に向かわれているという印象」と語り、「阿部さんは本当に役にのめり込んで演技をされる方だと思いました」とコメントした。

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