"Wayne"ことNVIDIAの次期モバイルプロセッサ「Tegra 4」のスペックがリークしていると話題になっている。中国サイトに掲載されたスペック表を紹介したZDNetによれば、CPUコアは4+1というTegra 3のスタイルを踏襲しつつ、GPUコア数は6倍増加しているなど、かなりグラフィックを強化した作りになっていることがうかがえる。
同件はChiphellという中国語のサイトに掲載されたスペックシートが基になっており、ZDNetなどがそれを報じている。現在公開されているのは1枚写真のみであり、詳細スペックはこれだけではわからない。だが、もしこのスペックが本物ならば、Tegra 3の路線を踏襲しつつ、かなりグラフィック強化にトランジスタを割いた作りになっているとみられる。
順番にみていこう。4つのCPUコアに、バッテリ消費を抑制する5つめのコアを搭載するのはTegra 3と一緒だ。ただしコアの世代が不明なため、現行のARM Cortex-A9ベースなのか、あるいはCortex-A15ベースなのかはわからない。またARMではbig.LITTLEというTegra 3と同種のアプローチを模索しているが、Tegra 4がどちらの技術を採用しているのかも不明だ。またTegra 4は28nm製造プロセスを用いることが記されており、主に来年後半を見据えた製品展開が行われるとみられる。
興味深いのはグラフィックの部分で、前述のようにTegra 3比で6倍、Tegra 2比で20倍の数のGPUコアをTegra 4では搭載している。おそらくSoCのダイ上にGPUが占める面積もかなり増えるとみられ、Tegraで比較的弱点とされてきたグラフィック能力の大幅な向上が期待できる。それを象徴するようにディスプレイは2560×1600または1080pの120Hz、さらには4K×2Kのサポートも視野に入れているなど、昨今のハイエンドPCクラスの画面解像度が示されている。ビデオ再生支援も2560×1440サイズのエンコーダ/デコーダ、VP8アクセラレータ、H.264 HP対応など、非常に強力だ。デュアルチャネルDDR3L/USB 3.0サポートと合わせ、基本スペックだけを見ればPC用プロセッサと遜色ない。
現在NVIDIAは来年2013年1月に米ネバダ州ラスベガスで開催されるCES 2013において、現地時間6日夜にプライベートのプレスカンファレンスを実施する予定であり、ここでWayneことTegra 4について何らかの言及が行われる可能性がある。ぜひ注目したい。
(記事提供: AndroWire編集部)