普段使いには十分すぎるパフォーマンス
「LaVie X」は、CPUに第3世代のデュアルコアCPU、Intel Core i7-3517Uを採用しており、ストレージには256GBのSSDを搭載している。メモリは4GBという標準的な容量だが、CPUとストレージが高速なので使っていてストレスを感じることがほとんどなかった。今回は試作機のためベンチマークをとることはできなかったが、全体のパフォーマンスはかなり良好な印象だ。
例えば、8~10個程度のアプリを起動した状態で、タスクを切り替えたり、さまざまな処理を実行したりした場合でも、動作が極端に重くなることはなかった。Internet Explorerでタブを10程度開き、次々に切り替えていっても、ページの表示はスムーズだった。
むしろ、普段使用するHDD搭載のデスクトップ機より、アプリの起動や画面切り替えがキビキビとしていて驚いたくらいだ。少なくとも、普段使いでCPUやグラフィックスの処理能力不足や、メモリ不足などを感じることはあまりないだろう。
インタフェースはUSB 3.0×2、HDMI、SDカードスロットと必要最小限の構成だが、いずれも標準サイズのポートで、アダプタなしで周辺機器をつなげられるのは、やはり便利だ。
光学ドライブは非搭載だが、NEC製のPCにはホームネットワーク上の他のPCのストレージを共有できる「Netowork Duet」や光学ドライブ共有機能が搭載されているので、2台目として使う場合は、それほど不便に感じない。もちろん、別途外付けの光学ドライブを購入するのも手だ。
本体左側面。電源コネクタ、SDメモリーカードスロット、HDMI端子が搭載されている |
本体右側面。イヤホンジャック、USB3.0×2が搭載されている。USBのうち片方はパワーオフUSB充電機能に対応しており、本体電源オフの状態でもUSBケーブルでつないだ外部機器に給電することができる |
ビジネスシーンで武器になる使い勝手のよさ
本機は、液晶ディスプレイに視野角の広いIPSパネルを採用している。そのため、斜めから見ても色の変化が少なく、複数の人が画面をのぞき込みながら議論するような場合でも使いやすい。
しかも液晶画面は、180度開くことができる。得意先での商談や会議などで、対面の相手に15.6型の画面を見せながらキーボードやタッチパッドを操作できるのは大きなメリットのひとつだろう。
ビジネス利用という観点から見た場合、もうひとつ大きなポイントとなるのが急速充電機能だ。本機は残量ゼロから約1時間で80%前後まで充電することができる。
バッテリ駆動時間はフル充電時で最大約7時間なので、1時間の充電でも計算上は最大約5時間程度駆動できることになる。忙しい朝や、営業の合間など、時間がなくて充電完了するまで待てない場合でも、とりあえずコンセントにつないでおけば次の休み時間までは持たせることができるわけだ。
このようなメリットがある一方、実際に使ってみて少し残念だったのがキーボードの打鍵感。本機は「LaVie Z」と同じ各キーが独立したアイソレーションキーボードを採用しているが、キーストロークはかなり浅め。「LaVie Z」より少し硬めに調整されているのか、キーを打っているという感じがあまりなく、薄型リモコンや携帯電話などに使われるようなキーシートをたたいている感触だ。
キーストローク自体は「LaVie Z」と同等なのだが、本機は指先に伝わるキーの反発がやや鈍いように感じられる。もっとも打鍵感以外の部分、たとえば、キーボード面の剛性やキーピッチの広さ、独立したテンキーの搭載による入力効率の高さなどは、いずれも問題ないものだった。
LaVie Xのアイソレーションキーボード。独立したテンキーが設けられているため、表計算などで数字を入力しやすいのはありがたい |
LaVie X(左)とLaVie Z(右)のキーボード比較。キーピッチやキーストロークはほぼ同じだが、打鍵感が少し異なる |
ビジネスにもプライベートにもおすすめ
厚み12.8mmという極薄ボディを実現したUltrabook「LaVie X」。薄いだけでなく約1.59kgとA4ノートPCとしては非常に軽量なため、大画面を持ち歩きたいという人には、まさにうってつけの製品だと言える。特にプレゼンや会議など出先でパソコンを使う機会が多いビジネスパーソンには、強い味方になってくれるはずだ。
また基本性能も十分高く、発色のよいフルHDのIPS液晶パネルを備えているため、映像や写真を鑑賞するのにも適している。そのためプライベートで動画配信サービスや画像編集などを楽しみたいというユーザーにも適している。本体が軽いので、気軽に持ち運んで自宅内の好きな場所で作業できるのもいい。
いずれにしても、大画面を持ち運んで好きな場所で使うというコンセプトを、かつてないレベルで具現した製品であるというのは間違いない。既存の小型軽量モバイルノートに満足できない人には、とくに注目してみてほしい製品だ。
製品名 | LaVie X LX850/JS |
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CPU | Core i7-3517U(1.90GHz) |
チップセット | Mobile Intel QS77 Express |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 約256GB SSD |
光学ドライブ | なし |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵) |
ディスプレイ | 15.6型ワイド(1,920×1,080ドット、IPS液晶) |
ネットワーク | IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth Ver.4.0+HS |
インタフェース | USB3.0×2、HDMI、ヘッドフォン端子 |
メモリースロット | SDメモリカードスロット(SD/SDHC/SDXC対応) |
TVチューナー | なし |
サイズ/重量 | 約W375×D255×H12.8mm/約1.59kg |
OS | Windows 8 64bit |
店頭予想価格 | 175,000円前後 |