「手に取りたくなる格好良さ」 - デザイン面のこだわり
家庭内においては2台目のPCとなるが、個人用のPCとしては1台目というのが、「LaVie X」のコンセプトである。その観点から、NECパーソナルコンピュータでは、もうひとつのこだわりをみせた。それは、デザインである。
家庭用の共有PCの場合、家族の意見を優先することや、万人受けする機能が求められることで、どうしてもデザイン性は二の次になる場合が多い。しかし、すでに共有PCを所有し、それに買い足す形で個人用のPCを新たに購入するといった場合にはどうなるだろうか。やはり、お洒落なデザインのものを優先することにはならないだろうか。
「個人用となった途端に、格好いいデザインでなくては手に取ってもらえないだろう。薄さも格好よさを演出するデザイン要素のひとつ。アルミニウムの高級感とともに、手に取りたくなる格好良さを持つデザインにこだわった」と三島氏は語る。
「LaVie X」は薄さを強調するシャープなデザインとし、エッジ部も丸みは極力小さなものとした。また、天板部にはヘアライン塗装を施し、よく見ると、ほんのりと青みがかったアルマイトシルバー色を採用している。さらに、輝度の高い表面処理により、さらに高級感を醸し出すことにも成功している。
「薬剤を使用して天板を磨くことになるが、ヘアライン塗装の質感とアルミニウムの高級感を維持しながら、最適な形に仕上げることに苦労した。試作のなかでは、青い天板が出来上がったり、ヘアラインがすべて消えてしまったりと、試行錯誤の繰り返しだった」とする。
こうした努力の結果、天板の塗装では、納得のいくものが完成したという。 なお、「LaVie X」では背面部に吸気口のスリットを無くしているが、これもデザインへのこだわりからのものだ。安全性と放熱性を維持しながら、これを実現している。
エグゼクティブ向けの提案も
「LaVie X」は、A4ノート(15.6型)という領域において、新たな提案を行うPCだ。
そして、万人受けするA4ノートPC市場に、特化型のPCを提案するという点では、NECパーソナルコンピュータの余力を感じることもできるだろう。これも、レノボとの合弁効果のひとつだといえる。その意味では、「LaVie Z」、「LaVie Y」に続き、「LaVie X」も同様にレノボ効果によるものであるだろう。
NECパーソナルコンピュータの三島氏は、「『社長室の机の上に置いてあるエグゼクティブ向けのPC』という提案にもつなげていきたい」とする。これも「LaVie X」による新たな提案のひとつだ。
薄さの追求では、驚きを与えるものを実現できたと、三島氏は胸を張る。そして、こうも語る。
「究極の薄さを追求した『LaVie X』は、目標としたものを達成できたと考えている。この経験をもとに、新たなコンセプトへの挑戦を続けていきたい」。三島氏は、すでに今後の製品開発にも意欲をみせている。