共有PCの存在を前提とした割り切り

先に触れたように、「LaVie X」のターゲットは、家庭内における最初の一人一台のPCになることだ。

もちろん、1台目のPCとして利用することも可能だが、すでに家庭用の共有PCがあるということを前提にした割り切りは、「LaVie X」の仕様を決定する上で重要な要素だった。例えば、光学ドライブやHDDを内蔵せずに、256GBのSSDを採用したことも、すでに共有PCが存在することを前提にしたものだといえる。

ここではNEC独自の光ディスクドライブ共有機能と、Network Duet機能を活用することで、ホームネットワークを通じて、他のPCの光学ドライブやHDDと接続して、共有するといった使い方が可能になる。これにより、「LaVie X」に光学ドライブを搭載していなくても、アプリケーションのインストールや音楽CDの再生が可能になり、まるで外付けドライブのようにして活用することができる。

また、SmartVision/Playerを使用することで、VALUESTAR WシリーズやVALUESTAR Nシリーズで視聴しているテレビ番組や録画番組を、ホームネットワーク経由で視聴することもできる。

つまり、NEC独自の機能によって、1台目の共有PCを利用することで、「LaVie X」は、光学ドライブやHDDを搭載せずに薄型化を追求することができるのだ。

実は、「LaVie X」では、HDDを搭載することも検討したようだが、現在、薄型化を追求する上で採用できるHDDの容量は500GBに留まるという背景もある。そのHDDの半分の容量を実現するSSDを採用することで薄さを優先したというわけだ。

また、D-Sub端子やイーサネット端子を排除したのも、薄さを追求する一方で、フリーロケーションという使い方を前提としたためだ。ここにも、2台目だからこその割り切りがあるといえる。

薄さ優先で、タッチパネルの搭載を見送る

「LaVie X」では、Windows 8を搭載した製品である。Windows 8が発売されて以降、同社が発売したノートPCの主要モデルでは、基本的にタッチパネルを搭載しているのだが、「LaVie X」にはタッチパネルを採用していない。これも、薄さを追求した結果のものだ。

「タッチパネルのためにガラスが1枚増えることで、1~2mmの厚みがでること。さらに、ガラス分でディスプレイ部が重くなることで、ヒンジの強度を高めたり、底面部の重量を増やし、バランスを取らなくてはならなくなるといった課題もある」(三島氏)。

タッチパネルを搭載することで、薄さと軽さが犠牲になるのは明らかだ。薄さを徹底的に追求した「LaVie X」だからこそ、タッチパネルの搭載を見送ったのである。

薄さを重視し、タッチ液晶は早々に省くことが決まったという

そのかわり、キーボード部に大型サイズのボタン一体型タッチパッドを搭載。Windows 8ならではのジェスチャー機能での操作ができるようにしている。 

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