米Appleは、地図サービスにおけるローカル情報の統合に向けて米Foursquare Labsからのデータ提供で話し合いを始めたと、米Wall Street Journalが関係者の情報として12月17日(現地時間)に報じている。現在AppleはiOS用のMapsアプリにおいてYelp!のデータをローカル情報として利用しているが、Foursquareとの提携はそれをさらに拡張するものとなる。
WSJによれば、Appleでオンラインサービスを担当するシニアバイスプレジデントのEddy Cue氏がここ数週間の間に米ニューヨークを拠点とするFoursquareとの会合を持っているという。ローカル情報とは、ランドマークや商店、レストラン等、地域のデータを記したもので、地図検索サービスでは欠かせない要素だ。Foursquareでは位置情報の記されたマーカー付近で"チェックイン"と呼ばれる動作を行うことで、その場所のお勧め情報やTIPSを表示させたり、チェックイン数に応じて"バッジ"が付与されるなどの冒険要素が用意されている。Yelp!ではレストランを中心とした主に店舗情報が中心だが、これにFoursqureのランドマークや各種情報を組み合わせることで、さらにローカル検索の精度やコンテンツを増やすことが狙いとみられる。
Googleとの提携が切れたいま、Appleにとって地図情報の強化は至上命題であり、今後こうした位置情報サービスを組み合わせたオンラインサービス事業者との提携が進んでいくとみられる。Yelp!とFoursquareはともに、ユーザーが残した利用情報や作成したタグを基にサービスを強化していく、いわゆる"User-generated content (UGC)"を主体とした事業者だが、今後は米国外での展開もにらみ、各国ローカルでのサービス事業者との提携も順次模索していくと考えられる。