画質に冠しては、まさに「言うことなし」。背面モニターに紡ぎ出される画は惚れ惚れするほど美しく、何気ない風景が芸術的な情景へ、スナップ写真がドラマのワンシーンへと変貌する。今回もぶっちゃけてしまうが、私は正直、背面モニターを覗いて撮る行為があまり好きじゃない。視界に要らないものが入るおかげで、被写体に没入できないからだ。しかし今回は、それでも撮影が楽しいと思えたのだ。ヘリコイドリングによるカメラとの明確な意志の疎通、シャッターの柔らかなフィーリング、モニターにふわりと浮かび上がる被写体。RX1は、撮る者を夢中にさせるカメラだと断言する。

連射性能は最高約5コマ/秒。AFは突出して俊敏というわけではないが、十分に使えるレベルだった。今回の作例の中には、ダンス教室の生徒に協力してもらって撮影したものもあるのでご覧いただきたい。蛍光灯照明の室内でこれだけ撮れれば個人的に不満はまったくない。

動画撮影は、1080/60p、1080/24pのフルHD動画撮影に対応。P/A/S/Mモードでのマニュアル動画撮影も可能で、動画撮影用の電子式手ぶれ補正機構も備えている(静止画用の手ぶれ補正機構はない)。

撮影機能やインタフェースは、ほぼRX100に準じる。「オートHDR」「Dレンジオプティマイザー」「ピクチャーエフェクト」など、ソニー機標準の既存機能が付いているので、ひととおり試してみるのも良いだろう。ただ、このカメラにおいては、それよりひたすらカメラの実力を信じて被写体と向き合い、雰囲気にどっぷり飲まれてシャッターを切ることを楽しむ方が高い満足を得られるはずだ。至高のレンズとセンサー、そして映像エンジンが最高の状態でマッチングされたRX1。これは、日々の生活記録として写真を撮っていたサンデーフォトグラファーを写真家へと成長させるカメラである。

F2.8 1/125秒 ISO100(オリジナル画像を見る)

F3.5 1/80秒 ISO500 マクロ(オリジナル画像を見る)

F7.1 1/80秒 ISO100(オリジナル画像を見る)

F5.6 1/640秒 ISO400 スタイル:紅葉(オリジナル画像を見る)

F4 1/25秒 ISO400 スタイル:セピア(オリジナル画像を見る)

F8 1/800秒 ISO400 エフェクト:ハイコントラストモノクロ(オリジナル画像を見る)

F8 1/800秒 ISO400 エフェクト:イラスト調(オリジナル画像を見る)

F2.8 1/320秒 ISO400 オートHDR(オリジナル画像を見る)

F3.5 1/125秒 ISO400 マクロ(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/320秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/320秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/250秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/200秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/200秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/320秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/250秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

F2.5 1/125秒 ISO1000 スタイル:ポートレート(オリジナル画像を見る)

撮影協力:ジュニアダンス・スキップカンパニー

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