マウスコンピューターのゲーマー向けブランド・G-Tuneから発売されている「NEXTGEAR i830」シリーズは、Core i7のハイエンドモデルに対応するX79チップセットを搭載した、性能重視のデスクトップPCだ。今回は、グラフィックスカードにGeForce GTX 680を搭載する「NEXTGEAR i830GA7」の実機に触れ、その特徴とパフォーマンスをチェックしてみたい。
標準サイズのケースにハイスペックプラットフォームを採用
G-TuneのデスクトップPCには、省スペースモデル「NEXTGEAR-MICRO」、スタンダードモデル「NEXTGEAR」、フラグシップモデル「MASTERPIECE」の3シリーズがラインナップされている。搭載できるドライブ数など、一部の差はあるが、基本的にはいずれのシリーズを選択しても、コストパフォーマンス重視から性能最優先まで、さまざまな構成を選ぶことが可能となっている。
例えば、MicroATXフォームファクタの「NEXTGEAR-MICRO」シリーズでもCore i7 エクストリーム・エディションやGeForce GTX 690を搭載する超ハイスペック構成が可能だし、高級ケースを採用する「MASTERPIECE」シリーズでも10万円台前半の価格帯に抑えることができる。純粋にユーザーが求める拡張性・作業性に応じて筐体を選べるのは、リーズナブルといえるだろう。また、すべてのシリーズにX79モデルとZ77モデルが用意され(NEXTGEAR-MICROではB75モデル、AMD A75モデルも選択可能)、チップセットを選ぶことができるので、6コアCPUやグラフィックスカードのSLI構成などを検討している、ハイエンドユーザーのニーズにも対応している。
その中で今回紹介する「NEXTGEAR i830」シリーズは、筐体はスタンダードなミドルタワー型、チップセットはX79を採用するモデルとなっている。シリーズのほとんどのモデルでCore i7-3820が標準CPUとなっているが、X79チップセットなので6コア版のCore i7-3930KやCore i7-3960X エクストリーム・エディションも選択できる、ハイエンドゲーマー向けの機種だ。同じ筐体でZ77チップセットを搭載する機種は「NEXTGEAR i620」シリーズに分けられている。
フロントパネルを脱着可能で実用的なケース
NEXTGEARのケースは開閉式のフロントパネルで前面が覆われており、光学ドライブなどを使用しないときは、パネルを閉めてスッキリとした外観を保つことができる。パネルの前面や側面などには多くのスリットが設けられており、閉じた状態でもエアフローが確保されている。
フロントパネルのデザインはユーザーによって好みが分かれる部分だが、開閉式のパネルは不要という場合、簡単に取り外すことができる。外したあとに残るヒンジ部分の空間を埋めるアタッチメントパーツも付属しているので、パネルなしでも違和感がない。なお、フロントパネルを取り外す前の本体サイズはW190×D543×H450mmだが、取り外し後は奥行きが短くなってW190×D470×H450mmとなる。
ケース上面にはSDメモリーカード/メモリースティック/xDピクチャーカード対応のカードリーダー、USB 3.0ポート×2、USB 2.0ポート×2、ヘッドフォン端子、マイク端子を備えている。床置き時にアクセスしやすい場所で、カードリーダーにはアダプタを介さずmicroSDカードを挿入できるスロットも設けられているなど、実用性は高い。
内部は、最近のケースでしばしば見られるようになってきた、電源ユニットが最下部に配置されるレイアウトを採用している。またゲーマー向けケースでは、フロント部を天面から床面まですべてドライブベイとしている製品も少なくないが、本機の場合、シャドウベイは4基、外部からアクセス可能なオープンベイは5インチ×2基+3.5インチ×1基に抑え、フロント部にあえて空間を残している。装着可能なデバイス数をむやみに増やすのではなく、ハイエンドグラフィックスカードをSLI構成で搭載した場合にも、ケーブリングやエアフローの余裕を優先した設計と見ることができるだろう。