電子ブックリーダー専用端末の市場が、多機能なメディアタブレットに取って代わられる形で急速にしぼんでいるという。登場初期から驚異的なペースで急成長を続けてきた専用端末市場だが、2011年をピークに急減少に転じており、4年後にはピーク時の3分の1以下の水準に落ち込む見込みとのことだ。同件は、米IHS iSuppliが最新調査報告として12月10日(現地時間)に発表している。
それによれば、2011年に2320万台だった専用端末市場は、2012年には年率36%ダウンの1490万台へと落ち込む見込みだという。来年2013年にはさらに27%ダウンの1090万台となり、2016年までにはわずか710万台規模まで減少するとの予測だ。同市場が急成長を続けていた2008年から2010年にかけては、年間出荷台数が100万台から1010万台と10倍以上のペースで急拡大しており、急速に市場がしぼみつつある。一方で汎用のメディアタブレット端末は数千万台から1億台以上の水準をコンスタントに推移しており、完全に取って代わられつつあるとの分析だ。
だが市場が急速に縮小しつつも、数年後にまだ数百万台規模の出荷台数を維持しているあたり、必ずしも専用端末の市場がなくなることはないとみられる。理由の1つはその低コスト性で、例えば2011年後半モデルの7インチサイズAmazon Kindleの部品原価(BOM)が84ドルなのに対し、Nexus 7のBOMは2倍の153ドルと高価だ。販売モデルや用途しだいでは、まだまだ専用端末の需要は続くとみられる。