IDC Japanは12日、国内インクジェットプリンタとMFP(複合機)市場に関する2012年第3四半期(7~9月期)の市場動向を発表した。
インクジェット製品の総出荷台数は、前年同期比で4.2%増加し123万台。従来であれば、8月から9月にかけて多くの新製品が発表されるで既存製品の販売が終息するが、既存の主力MFP(複合機)が引き続き出荷され、低価格化により割安感を市場に与えた。これを受け、2011年発売のMFPを購入するユーザーが増加したことで、インクジェット製品のMFP化が促進され、MFP化率は88.0%になったとしている。
一方、単機能のインクジェットプリンタは出荷台数が15万台となり、前年同期比で22%減少。インクジェットMFPは108万台から9.2%増加していることから、低価格のMFPが定着し、MFP化が進行している大きな要因になったとしている。
毎年第3四半期は、主要ベンダーが新製品の発売と販売戦略を発表する時期となっているが、今年は例年よりも販売戦略の大きな変化があったと分析。例えば、ブラザーはインクジェット製品のブランド名を変更してイメージを一新。家庭向けとビジネス向けのラインナップを明確にした。エプソンはビジネスインクジェット製品をレーザー製品と同一のカタログに掲載し、オフィス向けの位置づけを明確にした上で、家庭向けとの差別化を図っている。キヤノンは、新製品の発表時期を例年より1カ月遅い10月初旬とし、2011年に発売した主力モデルを新製品と併売している。
IDG Japanでは、これら新しい販売戦略が市場にどのような変化をもたらすか、今後に注目するとしている。