リコーは12月12日、研究機関などに向けた中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645D IR」を発表した。同日より発売され、価格はオープン。推定市場価格は125万円前後となっている。なお、本製品は専門機関向けとなっており、小売店での販売は行われない。
「PENTAX 645D」をベースに、赤外線(IR)カットフィルターを外したモデル。一般的なデジタルカメラが可視光線だけを受光、撮影することが目的とされているのに対して、PENTAX 645D IRではIRカットフィルターの省略と、レンズに可視光カットフィルターを装着することで、人間の目に見えない赤外(IR)領域を撮影可能となっている。
用途としては、貴重な文化財や壁画、絵画の下絵・下書き、出土した木簡の墨文字を判読・識別するなど、図書館や博物館、研究機関などの専門機関での使用を想定。具体的には、絵画の撮影においては、絵の具を透過して下層にある下絵が浮かび上がり、経年劣化した文化財の撮影では、制作当初の状態などを識別することもできる。
主な仕様はPENTAX 645Dがベースとなっており、撮像素子が35mm判の約1.7倍サイズ(44×33mm)で有効約4,000万画素CCD、画像処理エンジンが高速処理と階調性に優れるデジタル一眼レフ専用「PRIME II」を採用。
そのほか、マウントはペンタックス645A<SUB>F2 バヨネットマウント、シャッター速度は1/4,000~30秒、対応感度は常用でISO200~1000(拡張でISO100~1600に対応)。ファインダーは視野率約98%のフォーカシングスクリーン交換式、背面のモニターは表示画素数が約92.1万ドット・3型の液晶方式、利用可能な記録メディアはSD/SDHCメモリーカード(デュアルスロット)となっている。記録形式はJPEG、RAW。
サイズは約W156×D119×H117mm(突起部を除く)、重量は本体のみで約1,480g。