プロバイオティクス乳酸菌「Lactobacillus gasseri SBT2055(ガセリ菌SP株)」

雪印メグミルクは12月5日、神戸市で開催された第41回日本免疫学会学術集会において、「プロバイオティクス『ガセリ菌SP株』の経口投与によるインフルエンザAウイルスに対する感染予防効果」の研究発表を行った。

同社は北海道大学遺伝子病制御研究所内に、寄附講座として「プロバイオティクス・イムノロジー研究部門」を開設している。同社保有のプロバイオティクス乳酸菌「Lactobacillus gasseri SBT2055(ガセリ菌SP株)」には、有用な生理機能があることが明らかになっており、同研究部門でさらに研究を進めた結果、インフルエンザウイルスに対する感染予防効果が明らかとなった。

研究では、ガセリ菌SP株を経口投与したマウスと、ガセリ菌SP株を投与しなかったマウスにH1N1型インフルエンザウイルスA/PR/8を経鼻感染させた。するとガセリ菌SP株を経口投与したマウスでは、投与しなかったマウスに比べてウイルス感染後の生存率が有意に高くなった。

さらに、肺組織中のウイルス量と肺組織の炎症を示す指標では、ガセリ菌SP株を投与したマウスは投与しなかったマウスよりも低い値を示した。このことから、インフルエンザウイルス感染で起こった肺の過剰な炎症状態が軽減化され、マウスの感染後致死率が低下している可能性があることが分かった。

これらの結果から、ガセリ菌SP株は経口摂取後に、腸管から離れた組織である肺の免疫機能を調節することで、インフルエンザウイルスに対する生体防御機能を高めていることが予想されるという。

今回の結果は、ガセリ菌SP株摂取のインフルエンザウイルス感染に対する予防効果と、その作用機序の一端を示すもので、今後さらに研究を深め、ガセリ菌SP株が持つ生態防御機能の解明が進むことが期待される。