細田守監督によるアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』のブルーレイとDVDが2013年2月20日に発売されることが決まり、声優を務めた宮﨑あおい、黒木華 、西井幸人、大野百花、加部亜門、細田監督が7日、都内でオーディオコメンタリーの収録を行った。
2006年『時をかける少女』、2009年『サマーウォーズ』に続く細田監督最新作となる本作は、主人公・花と"おおかみおとこ"の間に生まれた子供"雨"と"雪"の子育て、そして成長と自立まで、13年にわたる"家族愛"を描いたアニメーション映画。7月公開にもかかわらず未だ上映館があるなどロングラン作品となり、11月末の時点で観客動員数は341万人を突破、興行収入は41.8億円と大ヒットを記録している。
オーディオコメンタリーの収録を終えた細田監督は「改めてすごい面々と一つの作品がつくれたなと思いました。これほど多くの方にご覧いただけるとは予想しておらず、びっくりしています。本当にいろんな感想をもらった作品だった。それは皆さんが色々な顔を思い浮かべ、あるいは自分に重ねてくれたからなのかもしれません」と感慨深い様子を見せ、Blu-rayとDVDに収められるコメンタリーについては「制作当時を思い出しながら話すことができたので、見て頂く方にはその場にいるような、本編とは違った楽しみができるのでぜひ期待してください」とアピールした。
そして、主人公・花を演じた宮崎は「本当にいい作品で何度見ても、鳥肌がたったり涙が出たり感情を揺さぶられる瞬間がたくさんありました。自分にとっても今まで見たことがない、実写のようなアニメーション作品。"おおかみこども"は、現実にはない話だけれども"おおかみ"か"人間"か、どちらとして生きるかの選択を描いている。私たちは普段の生活でも常に選択しながら生きているということでもあるし、共感して見ることができると思います」と本作の魅力を話し、一番の見どころについては「雪ちゃんが草平くんに秘密をうちあける学校のシーン」を挙げていた。
その雪の声優を担当した黒木は役作りについて「絵の雪ちゃんにひっぱられる感覚で自然に演じられました」と述懐。演じる上でも細田監督のアニメーションが助けになったことを明かし、また雪の幼年期を演じた子役の大野は「家族の絆が深まって、それが楽しいと実感できるから、みんなで雪の中で走りあって笑いあうシーンが好きです。雪は、顔は可愛いけど声は可愛くないよと監督に教わったので、自分の声にダミ声をいれて、自分じゃない声でやってみました」と演技を振り返った。
雨役の西井は「楽曲や映像が素晴らしいです。家族やカップルで何回も観てもらえるとうれしいです」と本作待望のBlu-ray&DVD化への喜びをあらわにし、雨の幼年期の声を担当した加部は「雨はすごく気が弱くて弱虫だけど、どこかで成長しているのでそれが分かるよう工夫できたので満足しています」と自身の演技に手応えを語っていた。
(C)2012 「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会