米Wall Street Journalの12月7日(米国時間)の報道によれば、欧州委員会(EC)は中国のネットワーク機器メーカーHuawei TechnologiesとZTEの2社がダンピングにより製品の市場価格を下落させ、他の製品にダメージを与えているとの報告をまとめたという。一方で制裁は中国との貿易摩擦に発展する可能性もあり、次のアクションを慎重にうかがっている様子もうかがえる。

ECのまとめた報告書によれば、HuaweiとZTEの販売する製品は市場の"公正"な価格と比較して35%ほど低く、これらがダンピングに相当するとの見解のようだ。中国は現在ハイテク機器の輸出に力を入れており、政府が全面的に関連企業のバックアップを行っている。ネットワーク機器もその1つで、HuaweiやZTEには多くの政府の関連資本や援助が入り、輸出攻勢を仕掛けている状態だ。こうした政府と民間が密に組んでのビジネスが、結果としてダンピングに認定するだけの価格競争力を持つ製品につながったとの判断だとみられる。とはいえ、単純なダンピング認定では中国側の報復関税等の対抗策も考えられ、市場全体が沈みつつある欧州にとっては悩ましい問題となっている。

欧州側ではこれら中国企業の安値攻勢から欧州企業の雇用を守る意図もある。もし一度中国製品に市場を奪われると、以後は機器のメンテナンスや製品アップグレードで発生する膨大な追加費用も中国企業に奪われる結果となり、より深刻なダメージにつながるという問題がネットワーク機器の場合はあるからだ。

(記事提供: AndroWire編集部)