深まる秋もいよいよ終盤。紅葉に色づいた街をお散歩していたら、たくさんの猫たちに会いました。
目白、雑司ヶ谷の猫たち!
池袋駅から南へ歩くこと十数分。さっきまでの喧騒(けんそう)がうそのように、静かで昔ながらの情緒を残した街並みが広がります。鬼子母神(きしもじん)堂や大鳥神社、雑司ヶ谷霊園や旧宣教師館など、紅葉の美しい場所を歩いていきます。暖かな日差しがさしており、良い散歩日和になりました。
空を彩っていた紅葉も、その多くが地面に舞い落ちていて、秋の終わりを感じさせます。枯れ葉色の道を歩くときに奏でられる葉音が、とても耳に心地よかったです。
路地で「みゃーみゃー」と小さく鳴く声がしました。声の出どころをたどると、とっても小さな子猫が。「にゃー」と話しかけると「みゃー」と返してきます。
しばらくすると横からもう一匹の猫が現れ、子猫が寄って行きました。母猫だったようで、子猫はママの周りをくるくる回ります。子猫を守るように構える母猫は、とても神々しく見えました。
保護シェルターの活動と猫たち
散歩もほどほどに、都電を利用して大塚駅を目指します。この日は、猫たちのために日夜活動を続けている「東京キャットガーディアン」の開放型シェルターを見学させてもらいました。
NPO法人としての約5年にわたる活動で、たくさんの猫たちを救ってきた東京キャットガーディアン。大塚のシェルターは、里親を待つ猫たちの譲渡会場と、猫カフェを兼ねたオープンスペースとなっていました。
東京キャットガーディアンは、大塚シェルター、西国分寺シェルター、そして提携する猫カフェなどで、現在350匹の猫たちを保護しています。健康診断や各種ワクチンの接種、去勢手術などを終えた猫からシェルター内に出し、来場者と触れ合いながら里親を見つけるそうです。
お話をうかがって印象的だったのは、「愛情よりもシステムが大事」という言葉でした。愛情なしではできないことばかりですが、継続して猫たちを助けていくためにはしっかりとした仕組みが必要なのだそうです。同法人では、クレジットカードからの寄付や、チャリティーカレンダーの販売など、猫のためのシステムを順次設けているとのことです。
大塚シェルターでは、現在、5階部分に全面ガラス張りとなる新たなスカイシェルターを準備中。12月22日からの稼働を目指していて、猫も人も温かな日差しの中で過ごせるようになるそうです。
■スポット情報
店名:東京キャットガーディアン 大塚シェルター
場所:東京都豊島区南大塚3-50-1 ウィンドビル1F
営業時間:14:00-17:00(平日)。13:00-17:00(土日祝)。火曜休。
<著者プロフィール>
一色千里
ハンドメイドや動物、街歩きや旅をテーマに撮影と執筆を手がける。著書に「東京手づくり市マップ」「東京ねこ街案内」(角川グループパブリッシング刊)などがある。新著「カワイイ動物カフェへようこそ!」が日本工業新聞社より2012年11月2日に発売!
猫情報を配信するちまたの猫暮らしを運営するほか、物語で街と人をつなぐ「本のカケラ」など街イベントも積極的に企画。ホームページ、ツイッターも運営中。