フィンランドのNokiaは12月5日(欧州時間)、Windows Phone 8を搭載したエントリーモデルのスマートフォン「Nokia Lumia 620」を発表した。デュアルコアSnapdragon S4 1GHzと512MBメモリを搭載し、Micro SDカードや500万画素カメラ、NFCを搭載した3.8インチディスプレイのスマートフォンだが、その最大の特徴は249米ドルという本体の低価格にある。これまでミッドレンジ以上を中心に展開されてきたWindows Phoneにとって、普及のドライバーになることが期待される。

Nokia Lumia 620

ローエンドモデルとしては途上国向けに「Lumia 510」という製品が提供されているが、これはWindows Phone 7.5ベースであり、最新のWindows Phone 8を採用する端末としてはLumia 620が最もエントリーレベルに属する。スペックは下記の通りで、4.5インチスクリーンとLTEを搭載するLumia 920、4.3インチスクリーンを搭載するLumia 820ば小型となっているが、前述のようにNFCもサポートしており、必要最低限のスペックは満たした仕様となっている。とはいえ、米国ではAT&Tから2年縛りの条件ながらLumia 920が99ドル、Lumia 820が49ドルで提供されているなど、Lumia 620の低価格というメリットはほとんど薄れてしまっているという指摘もある。発売時期は2013年1月にアジアでまず販売が開始され、次いで欧州、中東、残りの地域の順番で展開されていく。

■ Nokia Lumia 620スペック
OS Windows Phone 8
ディスプレイ 3.8インチTFT WVGA (800×480)
バッテリ 1200mAh
プロセッサ デュアルコアQualcomm Snapdragon S4 1GHz
カメラ 500万画素+LEDフラッシュ(背面)、VGA (前面)
メモリ 512MB
ストレージ 8GB (Micro SDで64GBまで拡張可能)
カラーバリエーション ライムグリーン/オレンジ/マゼンタ/イエロー/シアン/ホワイト/ブラック

もともとハイエンドと先進国中心に展開されていたLumiaだが、最近ではミッドレンジからローエンドまで幅広いラインナップを揃え、さらにその提供地域も従来までNokiaが強みとしていた中東やアジア、アフリカなど、先進国以外の地域でのプレゼンスを増やしつつある。例えば同社は中国市場向けにChina MobileのTD-SCDMAネットワークに対応した「Lumia 920T」を同日にリリースしている。スペックはベースとなっているLumia 920とほぼ同等だが、LTEをサポートしない代わりにプロセッサが若干強化されている。シェア減少に悩むNokiaだが、Lumiaによる世界攻勢で往年の勢いを取り戻せるだろうか。