米IHS iSuppliの最新報告によれば、2012年の世界の半導体メーカー金額シェアにおいて米Qualcommが前年の6位から3位にまで急伸したという。上位2社の順位に変化はないが、Qualcommの年率上昇率が27%と業界他社に比べて突出しており、スマートフォンやタブレット市場の拡大で同社の好調ぶりが際立っている。

ランキングを見ていくと、1位は不動のIntelでシェア15.7%、それにSamsung Electronicsが10.1%で続く。Samsungの伸び率が6.7%なのに対し、Intelはマイナス2.4%とわずかに減少している。これは昨今のPC不況を反映したものとみられる。そして今回最も際立っていたのが3位でシェア4.3%のQualcommで、4位でシェア4.0%のTexas Instruments (TI)、5位でシェア3.6%の東芝、6位でシェア3.6%のルネサスエレクトロニクスの3社を一気に抜いた形になる。iSuppliによれば、2010年時点のQualcommの順位は9位で、2年間で一気にトップ3にまで到達したというわけだ。Qualcommの半導体ビジネスはアプリケーションプロセッサのSnapdragonのほか、LTEや3Gネットワークをサポートするベースバンドチップならびにチップセットソリューションだ。昨今のスマートフォンやタブレットには欠かせないコンポーネントであり、同市場の拡大がそのままQualcommの業界での躍進につながったといえる。

iSuppliのデータによれば、今年は業界全体で売上減少傾向がみられ、上位20社のうち前年比プラスになっているのは2位のSamsung、3位のQualcomm、9位のBroadcom、11位のソニー、14位のNXP、15位のNVIDIA、17位のMediaTekと、全体の3分の1程度にとどまっている。これらメーカーの特徴として、スマートフォンまたはタブレットに比較的深い関係があることが挙げられ(ソニーはイメージセンサー、MediaTekはローエンド向けSoC)、この部分が明暗を分けたようだ。

(記事提供: AndroWire編集部)