フィンランドのNokiaは12月4日(現地時間)、首都ヘルシンキ郊外のエスポー(Espoo)にある同本社ビルを1億7000万ユーロで売却すると発表した。売却後もリースバックの形で拠点は動かないため、実質的に売却資金で財務体質を強化することが狙いとなる。なお売却は今年2012年中に完了するという。

フィンランドの首都ヘルシンキ郊外のエスポー(Espoo)にあるNokia本社ビル。ビル売却後も拠点は動かない

本社ビルは同市を拠点とする建築家のPekka Helin氏により設計され、1997年より運用を開始している。延べ面積は4万8000平方メートルで、バルト海に面した特徴的な外観が目を惹く。経営危機の続くNokiaが運転資金捻出のために本社ビル売却を検討しているという話は以前より伝えられていたが、今回正式に合意に至った形だ。

Wall Street Journalによれば、ビル売却先はフィンランドの不動産投資会社Exilion Capital Oyで、同社に売却後もリースバックの形でテナントとして入り、引き続き本社として機能する。以前に日本電気(NEC)が本社ビルを売却した経緯に近い。