米Appleが11月29日(現地時間)に米国のApple Online StoreにおいてSIMロックフリー版iPhone 5の販売を開始したのは既報のとおりだが、リアル店舗であるApple Retail Storeにおいても30日より販売が開始されている。だが取り扱っているのはAT&T仕様(A1428)のアンロック版であり、LTE利用を考える日本ユーザーは注意が必要だ。
Apple Retail Storeで販売が開始されたアンロック版iPhone 5のパッケージ裏を確認すると、対応ネットワークが「LTE (Bands 4 and 17)」とあり、Appleの対応モデル表と比較すると事実上AT&T専用の「Model A1428 (GSM model)」であることがわかる。米国でアンロック版iPhone 5を購入して日本での利用を検討しているユーザーもいるかもしれないが、少なくともNTTドコモのnanoSIMを入手して、この公式アンロック版に挿入する場合、FOMAプラスエリアの非サポートのほか、LTE利用でも対応バンドが異なるなど、使い勝手が悪い点に注意したい。もし、より広帯域のネットワーク対応を期待したい場合、欧州等で入手可能な「Model A1429 (GSM model)」のアンロック版入手を検討するか、あるいはデフォルト状態でGSM系ネットワークがアンロック仕様になっている米Verizon Wireless版iPhone 5の「Model A1429 (CDMA model)」の入手をお勧めする。Verizon Wireless版の場合、購入時にアンロック化を申し入れて差額を支払う形となる。
またLTE対応に関しては、AppleがiOS上で各キャリアごとに対応スイッチをオンにしない限り利用できないという話が出ており、今後のバージョンアップの過程で厳密に穴が塞がれる可能性もある。現在米国で入手可能な唯一の公式アンロック版iPhone 5は、あくまで3Gネットワークでの利用を想定したものと考えていいかもしれない。