OCZは29日、11月28日に同社が発表したSATA 3.0対応2.5インチSSD「OCZ Vector」シリーズに関する説明会を開催。OCZ APAC Technical Marketing Engineer Johnny Preston氏が「OCZ Vector」シリーズに向けて開発されたコントローラ「Barefoot 3」の解説や、「OCZ Vector」シリーズのベンチマークテストの結果について紹介を行った。

「OCZ Vector」シリーズ

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OCZ、Indilinxの次世代コントローラ「Barefoot 3」を採用したSSDを3モデル

OCZ APAC Technical Marketing Engineer Johnny Preston氏

「OCZ Vector」シリーズに搭載された新型コントローラ「Barefoot 3」は、OCZが買収したコントローラメーカーIndilinxと、半導体メーカーPLX Technologyが中心となって1年かけて1から開発されたという。ファームウェアをIndilinx、コントローラチップをPLX Technologyが担当し、OCZとして初めてとなるNANDフラッシュ以外は100%自主開発のフラッグシップモデルが誕生した。

「Barefoot 3」には、動作周波数400MHzのARM cortex 9プロセッサに加え、フラッシュインタフェースを管理するOCZ Aragonコプロセッサを搭載する。

「Write Amplificationの値を小さくしたり、誤り検出訂正機能など、フラッシュインタフェースの管理はSSDの性能にとって非常に重要」とPreston氏。これに加えて、より効果的なガベージコレクションの採用などで、耐久性も向上するという。「OCZ Vector」シリーズでは、20GBのデータ書き込みを毎日行っても5年間使用できるとしている。

「Barefoot 3」のスペック

OCZでは2009年ごろの製品にIndilinxのコントローラを使っていたが、コントローラのバージョンが上がらなかったためSandForceやMarvellのコントローラを使っていた時期もあった

会場に展示された基板。中央のチップがコントローラ

基板の裏側

キャッシュメモリはDDR3に対応しており、メモリクロックは1600MHZ。容量は128GBモデルと256GBモデルは512MB(256MB×2)、512GBモデルでは1GB(512MB)が搭載されている。

次にSSD自体のスペックに目を向けてみると、「OCZ Vector」シリーズでは、25nm IMFT MLC NANDフラッシュを採用する。現在では20nmプロセスのNANDフラッシュも出ているが、Preston氏によると「20nmはまた不安定」とのことで、NANDフラッシュの性能を最大限に引き出すために25nmプロセスのNANDフラッシュを選んだという。インタフェースはSATA 3.0に対応する。

「OCZ Vector」シリーズのスペック

速度はシーケンシャルのリードが最大530MB/s、ライトは256GBモデルと512GBモデルが最大530MB/s、128GBモデルが最大400MB/s。4KBランダムリードは256GBモデルと512GBモデルが100,000IOPSで、128GBモデルが90,000IOPS。4KBランダム書き込みは共通で95,000IOPS。

他社製品とのスペック比較

他社製品や同社の「Vertex 4」シリーズのSSDと比べて、シーケンシャルの速度は遅い部分もあるが、Preston氏は「ランダムアクセスの方を重視している」として、4Kのランダムリード、ランダムライトの数値を強調した。

ベンチマークテストの結果でも「CrystalDiskMark」や「AS-SSD」などのベンチマークソフトでランダムアクセスは高い性能となっている。

ATTOの結果

CrystalDiskMarkの結果

HDTUNEの結果

AS-SSDの結果

会場でも256GBモデル2基でRAIDを構築した環境でテストを行った。CrystalDiskMarkではシーケンシャルが1GB/sに近いところまで記録したほか、ランダムアクセスもかなり高速なことが分かるだろう

AS-SSDの結果

また、Iometer 2010による、SSDの容量が50%のときと100%のときの4Kランダムライト QD32を15分実行した負荷テストの結果も紹介。ほかの製品では時間が経過するに伴ってパフォーマンスが低下したが、「OCZ Vector」シリーズでは、パフォーマンスの低下が抑えられている様子が示された。

Iometer 2010による負荷テスト。容量50%のときも100%のときも時間が経過すると他社製品ではパフォーマンスが低下するが、「OCZ Vector」シリーズではパーフォーマンスの低下が抑えられている

「OCZ Vector」シリーズは、11月30日より販売を開始。店頭予想価格は、128GBモデルが13,400円前後、256GBモデルが24,300円前後、512GBモデルが48,900円前後となっている。3.5インチ変換ブラケットと環境移行ソフトとしてAcronis True Imageのライセンスキーが付属する。