デルは29日、同社ディスプレイ事業の製品戦略発表会を都内で開催した。同社マーケティング統括本部 リレーション製品マーケティング本部 ブランドマネージャーの河田浩行氏が登壇し、ディスプレイ事業の方向性や新製品の特徴について語った。
同社マーケティング統括本部 リレーション製品マーケティング本部 ブランドマネージャーの河田浩行氏 |
アスペクト比21:9の29型ワイド液晶「U2913WM」。効果的な画面活用の例としてGoogle マップが表示されている |
PCディスプレイは「最先端技術」「広視野角」「デザイン」に注力 - デルの製品戦略
河田氏はまず、自社について「PCやサーバーなどを提供するハードウェアベンダーだが、さらなる付加価値を市場に与えるには周辺機器の充実が非常に重要」と説明。充実した周辺機器を提供する"トータルソリューションプロバイダ"の方向へ向かうとした。
中でもディスプレイについては、最新技術・広視野角・デザインの3点を兼ね備えた「スマートディスプレイ」を拡充する。最新技術は高解像度やタッチ機能などを指し、広視野角については、現在上位モデルにIPSパネルを搭載しているが下位モデルにも拡充するとした。また、デザインは「ただの作業用ツールではなく、インテリアにもなるようなディスプレイ」に力を入れるという。
同社ディスプレイの主なラインナップは、「デジタルハイエンド」「プロフェッショナル」「S」「E」「IN」の5シリーズ。この中で、「デジタルハイエンド」シリーズと「S」シリーズの上位モデルは、"メインストリーム"と呼ばれる高機能シリーズとなる。
直販をメインとした同社の販売モデルでは「ユーザーから直接ニーズを聞けるため、多くの要望に対応できるラインナップを揃える」とし、幅広いユーザーのニーズに応えていくとした。
同社ディスプレイのラインナップ。それぞれ、低価格のエントリーモデルであるEシリーズやINシリーズ、スタンド調節機能や複数の入力端子を載せたSシリーズやプロフェッショナルシリーズ、高い色再現性など表示カラーに注力したフラグシップのデジタルハイエンドシリーズといった特徴がある |
アスペクト比21:9の横長液晶など新製品を展示 - 「使い方はいろいろ」
発表会場では、15日に発売したアスペクト比21:9の29型ワイド液晶「U2913WM」や、24日に発売した10点マルチタッチ対応の23型ワイド液晶「S2340T」、29日発売のエントリーモデル新製品「E2313H」などが展示されていた。
「U2913WM」は、「デジタルハイエンド」シリーズに属する製品で、アスペクト比21:9、解像度2,560×1,080ドットのIPSパネル採用ディスプレイ。河田氏によると「デュアルディスプレイ利用の増加を背景に開発した」とし、発売当初はWebの掲示板などで"どういう形で使うのか"といった疑問が上がったと話した。
用途については、法人向けではホテルのロビーや銀行におけるスプレッドシートや複数ウィンドウの表示、個人向けではPCゲームや映画などコンテンツ表示をメリットの例として挙げた。管理ツール「Dell Display Manager」による画面分割機能も特徴の1つとして紹介し、「使い方はいろいろ。40,000円以下でもあり非常に好評」とコメントした。
Windows 8に合わせて開発したという23型液晶ディスプレイ「S2340T」は、10点マルチタッチが可能な多関節スタンドのPCディスプレイ。「柔軟に角度調節できるので、複数ユーザーで見る場合でも作業しやすい」という。
映像入力にはHDMIやDisplayPortを備えるが、PCとUSB 3.0ケーブルで接続することで、本機が内蔵するさまざまな機能を使える「USBワンケーブルソリューション」が特徴的。具体的には、タッチ機能、Webカメラ、USBハブ、USBディスプレイアダプタ、USBネットワークアダプタ(Gigabit Ethernet対応)など。
手元で操作できるマルチタッチ対応タッチパッドも合わせて展示 |
USBワンケーブルソリューション。USB 3.0ケーブル1本をPC本体と接続し、別途ドライバをインストールすることで、本体のタッチ機能や有線LAN、USB 3.0ハブなどを有効にできる |
29日に発売したEシリーズ「E2313H」は、LEDバックライト搭載の23型ワイド液晶。インタフェースにDVI-D/D-Subを備え、販売価格を14,980円に抑えたエントリーモデル。
液晶パネルはTN、解像度は1,920×1,080ドット。視野角は垂直160度/水平170度、輝度は250cd平方メートル、応答速度は5ms。コントラスト比は1,000:1。通常時の消費電力は24W。本体サイズはW546.4×D180.1×H404.8mm、重量は約4.62kg(スタンド含む)。