米Wall Street Journalの11月28日(現地時間)の報道によれば、現在経営危機に陥っているシャープが、救済のためにDellをはじめとして、IntelやQualcommなど米国IT各社に出資を打診しているという。対価として、IGZOとみられるディスプレイパネルの供給を提示しており、同社の最新技術が交渉の中核として利用されている様子がうかがえる。

ここ最近、シャープが台湾Hon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)からの出資受け入れ交渉とは別に、米国の関係各社をまわって出資を打診している噂が出ていたが、その名前が具体的に挙がってきた形だ。WSJによれば、まずDellがその筆頭として名前に出ており、そのほかビッグネームとしてIntelやQualcommとの交渉も行っているという。DellとIntel両社からは200億円(2億4000万ドル)の出資を見込んでおり、Qualcommはそれよりも幾分か低い金額での出資を打診しているようだ。これら資金は株式発行あるいは債権の形で受け入れることになるとみられる。

以上の会社の資金拠出交渉のほか、シャープはAppleから20億ドル規模の支援を受け取った可能性が指摘されている。Appleの場合、設備投資の形で資金を受け取っており、その対価として液晶パネル提供を約束したと噂されている。今回もDellにはこうした条件を提示する一方、直接シャープの製品を必要としないIntelやQualcommといった企業に対しては、先行投資という形で株式や債券を渡す方針を選ぶようだ。