2つのディスプレイはともにフルHD
スライド式やディスプレイが大きく開いてディスプレイが裏返るものなど、さまざまなコンバーチブル型ノートPCが発表されている。しかし、ディスプレイを本来の液晶部分と、その裏側である天板部分にも搭載することで、ノートPCとタブレットPCの切り替えを行わせる発想はなかなか思い至らなかった。
一見すると、力業のようにも思えるのだが、これまでのノートPCの構造を変えることなく、単純なディスプレイ部の開け閉めだけで切り替えができるのは実に自然だ。思わず「そういう方法もあったか」とうなってしまった。
搭載されたディスプレイはともに11.6型ワイドのIPS液晶で、解像度はASUSのUltrabook「ZENBOOK Prime」などでもおなじみの1,920×1,080ドットのフルHD。天板側は10点のマルチタッチに対応しており、表面処理はグレア、一方の内側はタッチ非対応で表面処理はノングレアという違いもある。
実際に使っていると内側のディスプレイを操作するときにも、ついついタッチしてしまうことがたびたびあり、内側と外側の両方がタッチ対応であればと思う。しかし、両方タッチ対応にしてしまうと、コストが高くなり、本体もより厚くより重くなってしまっただろう。
ディスプレイの表示方法としては、内側のディスプレイのみを利用する「ノートパソコンモード」、ディスプレイを閉じて天板部分のタッチ対応ディスプレイを利用する「タブレットモード」、2つのディスプレイに同じ内容を表示する「ミラーモード」、2つのディスプレイにそれぞれ違う内容を表示させる「デュアルスクリーンモード」の4つを用意する。
キーボード右上のTAICHIボタンを押すと、独自のホーム画面「TAICHI HOME」を呼び出すことができる。「TAICHI HOME」では、サウンドの調整や省電力機能のオンオフ、ASUS独自のクラウドサービス「ASUS Cloud」への接続が行える |
表示方法は、キーボードに搭載されたTAICHIボタンを押すことで呼び出せる独自のホーム画面「TAICHI HOME」で切り替えが可能なほか、天板を閉じるとどのモードからでも自動的に「タブレットモード」に切り替わる。
4つの表示モードを切り替えて利用できる「ASUS TAICHI」だが、やはり2枚ディスプレイを生かした「ミラーモード」と「デュアルスクリーンモード」をどのように使っていくかが1つのポイントになりそうだ。
単純な例ではプレゼンテーション資料の表示などが考えられるが、通常のPCよりもはるかに情報共有がやりやすいので、例えば少人数の打ち合わせの際に、その場で議事録を作成して共有するといったこともできるだろう。非常に極端な例だが、ソフトウェア開発における、ペアプログラミングにも利用できるのではないだろうか。
またプライベート的な用途でも、誰かと一緒にWebブラウジングを楽しんだり、シミュレーションゲームでも2つのディスプレイにマップを表示させながら、あれこれ相談するといった楽しみ方もできる。
また、デュアルスクリーンモードでは、独自の「Screen Share」というソフトウェアを使い、天面側のディスプレイに表示させる画像や動画などのコンテンツを、ノートPC側の画面からコントロール可能となっている。
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