まず、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 3.0.1c」の結果から。ここのところSSDを計測したCrystalDiskMark 3.0.1cの結果を見ることが多いので遅く感じるが、シーケンシャルリード/ライトが100MB/s以上なら、2.5インチドライブのポータブルHDDとしてはなかなかのもの。

CrystalDiskMark 3.0.1cの結果

実際に使っていても、大きなストレスを感じる場面はほとんどない。もちろん使い方にもよるのだが、筆者の日常モバイルの場合、あらかじめCANVIO SLIMに保存したデータを読み込むケースが圧倒的に多いため、細かいデータの読み書き(ランダムアクセス)が少ないという一面はあるだろう。

また、500GBの外部容量を持ち運べるのは、やっぱり心強い。進行中の仕事で使うデータ、少し前の仕事で使ったデータは、すべてCANVIO SLIMに保存できている。それでもかなり容量が余ったので、動画、音楽、自炊した書籍/マンガ(もちろん合法なものですよ)なども保存した。

最終的な空き容量は100GB弱だが、無理に埋める必要はあるまい。外出先で大量のデジタルカメラ画像やPDFファイル、プレゼンデータなどを受け取ることも多いので、それなりの空き容量を確保しておくことにした。そして、母艦となる自宅の自作PCには同期/バックアップソフトをインストールして、帰宅した日にCANVIO SLIMと自作PCでデータの同期を取るようにしている。

持ち運びにはパスワードロックを忘れずに

CANVIO SLIMに同梱される、パスワードロックツールも紹介しておこう。CANVIO SLIMは標準でNTFSフォーマット済みであり、本体内のフォルダに「HDD Password Tool」が収録されている。HDD Password Toolを利用する場合、CANVIO SLIMを接続するすべてのPCにHDD Password Toolをインストールしておく必要がある。

パスワードの設定画面

パスワードの削除/変更画面

CANVIO SLIMを接続したときの、パスワードの入力画面

パスワード設定すると、HDD Password ToolをインストールしていないPCにCANVIO SLIMを接続しても、ドライブとして認識されない。外出先などでCANVIO SLIMを他人のPCで使うときは、自分のPCでいったんパスワードロックを削除してから渡す。使い勝手としては少々面倒だが、CANVIO SLIMの紛失・盗難による情報漏洩のリスクを考えれば、この程度の手間は惜しむべきではない。また、CANVIO SLIMに保存したデータが暗号化されるわけではないので、パスワードロックをかけていても紛失・盗難には十分注意したい。

存在感あるモバイルストレージの選択肢

2012年11月下旬の時点で、CANVIO SLIMの価格は大手量販店で10,000円弱、ポイントバックを含めると9,000円前後といったところ。若干の割高感は否めないが、東芝ブランドの信頼性、薄型/小型/軽量、USB 3.0対応、500GBの容量、お洒落な本体など、外部ストレージの容量を重視するモバイル用途に、CANVIO SLIMはぴったりだ。

この2週間ほどCANVIO SLIMをモバイルで使ってみて、今では完全に日々の荷物の一員となっている。より小さなUSBメモリ、クラウドストレージを組み合わせることで、データの受け渡しや共有も一層スムーズになるだろう。

ちなみに、もっと大容量が欲しいという人には、スタンダードなCANVIOシリーズをおすすめしたい。容量のラインナップとして500GB/750GB/1TB/1.5TBが用意され、Mac OS X用のNTFSドライバも同梱だ。また、東芝製の3.5インチドライブを採用した据え置きタイプの「CANVIO DESK」もある。容量は1TBと2TBで、東芝の録画対応テレビ「レグザ」や、レコーダーの「レグザブルーレイ」との接続にも対応している(東芝以外のテレビなどにも対応予定)。

2.5インチ外付け型ポータブルHDDのスタンダードモデル「CANVIO」。ブラック(500GB/750GB/1TB/1.5TB)、シルバー(500GB/750GB/1TB)、ホワイト(500GB/1TB/1.5TB)の3色を用意

3.5インチ外付け型HDD「CANVIO DESK」。容量は1TBと2TB、本体カラーはブラックとホワイト&ブラック