米Appleで地図サービスを統括していたRichard Williamson氏が解雇されたと、米Bloombergなど複数メディアが11月27日(現地時間)に報じている。Appleの地図サービス問題についてはCEOのTim Cook氏が謝罪を行っているほか、iOS部門トップのScott Forstall氏が辞職する事態に陥っている。同件について関係者が直接処分されたのは初のケースとみられる。
iPhone 5ならびにiOS 6以降に従来のGoogle Mapsに代わって導入されたApple独自の地図サービスは、地図の内容が不正確であったり、明らかに未完成の状態でサービスが提供されているなど、エンジニアリングや作業時間に起因する問題を多数内包していることが知られている。Bloombergによれば、Appleのオンラインサービス部門を統括するシニアバイスプレジデントのEddy Cue氏は、地図サービス開発チームマネージャのRichard Williamson氏を解雇する一方で、先月から開発チームの管理体制を見直し、外部からのアドバイスを受けつつ、Apple Mapsにもデータを提供しているTomTom NVにランドマークやナビゲーションデータの修正を依頼しているという。
Appleの地図はiOSのソフトウェア部分よりも、むしろ地図データの整形や検索エンジンとの連動の部分に問題を抱えており、地図データを逐次端末に提供するオンラインサービス側の修正で対応できる。実際、日本でも空白だった領域や間違った情報が付与されていた部分に徐々に修正が加えられていることが確認されており、改善が進みつつある様子がうかがえる。一方で以前のGoogle Mapsに近い水準に地図サービスの品質を引き上げるためにはまだ年単位の時間がかかるとみられ、当面の課題となりそうだ。