我々には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、Windows 8のドライブを指す「ボリューム」だ。

Windows 8キーワード一覧

「共有フォルダー」とはとは
「ホームグループ」とは
「カーネル」とは
「プライベートネットワーク」とは
「レジストリ」とは
「ピン留め」「ジャンプリスト」とは
「デスクトップ」とは
「タスクバー」とは
「エクスプローラー」とは
「Windowsストアアプリ(Windows Store app)」「デスクトップアプリ(Desktop app)」とは
「チャーム(Charm)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは

「ボリューム(Volume)」

HDD(ハードディスク)上に作成したパーティションを指す名称。そもそもボリュームは多様性を持つ単語であり、スピーカーの音量も同じ単語を用いている。HDDに限ればディスク全体を指す場合もあり、RAIDであれば複数のHDDを組み合わせたものを指す場合もあるが、Windows 8に置いては一つのパーティションを指す単語して使用されることが多い。

少々分かりにくいので一度整理しておこう。Windows 8におけるディスクはHDDやリムーバブルディスクなど物理的なデバイスとなる物理的なドライブを指し、ドライブはディスクの上に作成した保存領域を指し、一般的にはパーティションやボリュームと同義に用いられる。

ただし、これらは本来の意味とは異なり、厳密なものではない。Windows 8の場合、「コンピューター」は、複数のパーティションで区切ったドライブに対して「ハードディスクドライブ」という呼称を用いているが、「ディスクの管理」では各パーティションをボリュームという呼称を使用する。BitLockerドライブネットワークドライブという呼称からもわかるように、少々曖昧な面があるのは事実だ(図01~02)。

図01 「コンピューター」では、パーティションで区切ったボリュームを「~ドライブ」と称している

図02 「ディスクの管理」では、パーティションを「ボリューム」と称している。このように場面によって呼称が異なるが基本的な意味は同じだ

もちろんMicrosoftの記名方法に問題があるのではなく、ドライブを識別するために名称を与える「ドライブ文字(ドライブレター)」を「ボリューム名(ボリュームラベル)」と読んでも間違いではない。ボリュームは場面に応じて変化する単語であることを知っておくのが大事なのである。

阿久津良和(Cactus