欧州特許商標局が最近になり公開したAppleの申請書類の中で、同社が「Lightning」の商標をモーターサイクルメーカーの米Harley-Davidsonから購入していたことが判明したという。両者の組み合わせもさることながら、AppleがLightningの適用領域を拡大するのではないかという推測もあり興味深いものとなっている。

同件はPatently Appleが報じている。11月24日(欧州時間)に公開された文書の中に、Lightningに関する商標申請とそのオリジナルの所有者からの譲渡を示唆する表現があったことが確認できたという。オリジナルのオーナーの住所から所有者名をたどると、それはかの有名なHarley-Davidsonだったというわけだ。なお、譲渡前の時点でHarley-Davidsonには2013年までの商標保有権があったという。一見接点のないような両者だが、商標問題でたびたびトラブルを起こしているAppleが、その対応の過程でHarley-Davidsonと結びついたというのが面白い。

だがPatently Appleでは、その次の予想も行っている。ご存じのようにHarley-Davidsonは大型バイクの著名メーカーであり、その商標登録カテゴリもバイクならびに周辺パーツや装備品が中心だ。一方でHarley-DavidsonがLightningを登録した際のカテゴリにはTV本体やゲーム、コンピュータゲームソフト、メガネならびにそのフレームというアイテムも含まれており、本来のターゲット分野からは外れている。後者の存在がAppleに商標転送を決意させたものとみられるが、Patently Appleの分析によれば今回の譲渡は「部分転送」であり、すべてのカテゴリが対象にはなっていないという。そのため、バイク関連は引き続きHarley-Davidsonが保有し、後者についてのみAppleに譲渡された可能性があるのだ。さらに想像を膨らませれば、AppleがLightningの商標を保持したまま「メガネならびにそのフレーム」という部分に手を出してくる可能性があり、噂のGlass Projectsに関連した商品を出してくるのではと同誌では考えている。このあたりの動きにも要注意だろう。