関西電力は26日、取締役会において電気料金の値上げを正式決定し、経済産業大臣に申請したと発表した。家庭向け電気料金の値上げ幅は平均11.88%で、2013年4月1日からの実施を目指す。家庭向け料金の値上げは33年ぶり。また、認可の必要がない企業向け電気料金についても、平均19.23%の値上げを実施する予定。
同社は、2011年に発生した東日本大震災以降、停止中の原子力発電所の代替として、火力発電の焚き増しや、長期計画停止していた海南発電所2号機(和歌山)の再稼動、姫路第一発電所(兵庫)におけるガスタービンの設置などを実施し、供給力を確保。これにより、火力燃料費などの負担が大幅に増加したため、経営効率化と内部留保の取り崩しを行い、火力燃料費などのコスト増を吸収してきた。
しかし、火力燃料費が震災前の2010年度と比較して、2015~2017年度の3カ年平均で5,689億円増加するなど、大幅な費用の増加が見込まれることから、今回の電気料金値上げを決定したとしている。
また、2013年3月期の連結業績予想についても、最終(当期)赤字が2,650億円となるとの見通しを発表した。
値上げ幅は、一般家庭が契約している「従量電灯A」の標準世帯(1カ月当たりの電力使用量300キロワット時)の場合、月額599円(値上げ率8.8%)となる。値上げ影響額および契約メニュー変更の試算については、同社Webサイト「電気料金シミュレーション」にて可能となっている。
同社はあわせて、2013~15年度の事業計画において、社員1人当たりの年間給与を2011年度比で約16%減の664万円とするほか、採用抑制による人員削減、保養所の全廃を含む厚生費削減などを実施する合理化政策を発表。これにより、人件費を3年間平均で345億円削減する計画だ。