俳優の長谷川博己、臼田あさ美、富田靖子、風間俊介らが26日、東京・角川シネマ新宿にて行われた映画『鈴木先生』の完成披露試写会に出席し、舞台あいさつを行った。

映画『鈴木先生』の完成披露試写会に出席した長谷川博己

2013年1月12日に公開を迎える本作は、武富健治原作の同名コミックの映像化作品。2011年の4月にテレビ東京系列の連続ドラマとして放送され、その年のドラマの最低平均視聴率をマークしてしまったものの、第49回ギャラクシー賞優秀賞など多数の賞を受賞した。

悩める国語教師・鈴木章役を演じた長谷川は、役柄のトレードマークである黒縁めがねにループタイ姿で登壇した。役柄になりきって登場したのかと思いきや、「そういう風な気持ちになるかなと思ったんですが、あまりそこまではならなかったですね。やっぱり、終わってしまったことなので(笑)」と正直な感想を吐露。ところが、無事に完成披露を迎えたことについて聞かれると表情は引き締まり、「うれしいですよね、ほんとに。(ドラマの)撮影中は、数字的な事情があって…もう無理だろうという雰囲気が漂っていたので」と、しみじみと語っていた。


ドラマの低迷によって、まっ先に注目を浴びてしまうのがやはり主役。奇しくも、長谷川は同年10月、その年のドラマの最高平均視聴率を記録した『家政婦のミタ』にも出演する。様々な思いが込み上げてきたのか、一言一言絞り出すように、映画『鈴木先生』について改めてこう語った。「あの…まぁ…こうやって、みなさんに集まって頂いて、すごくうれしいことなんですね。ようやくこういうふうに見て頂ける日が来るのをすごく僕は待ちわびていたというか…。映画ができたのは、キャストの方もそうですし、やっぱりいちばんは河合監督含めてスタッフの方々にとって報われたなという気がすごくして。それが何よりも僕はうれしくて」

一方、ドロップアウトしてしまった卒業生・勝野ユウジを演じた風間俊介は、シリーズ初出演。かねてからドラマのファンだったという風間は「仕事というよりかは撮影現場に侵入できる権利を手に入れたような感じでお邪魔させて頂いて」と笑顔を見せ、「すばらしい作品を作る人たちの空気が完全にでき上がっているので、その空気を汚すことなく、かつ馴染むというよりかは異物として混入できたらと思って撮影現場に臨みました」と、名脇役として数々の作品に出演してきた役者らしいコメントを残した。

この日は、生徒役の土屋太鳳、原作の武富健治、河合勇人監督も出席。舞台あいさつの最後には、ドラマと同作の間を描いた新春特別ドラマの制作が決定したことも発表された。