「地価LOOKレポート」による第3四半期の高度利用地地価変動

国土交通省土地・建設産業局地価調査課は22日、主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)を発表した。同調査は、鑑定評価員(不動産鑑定士)が調査対象地区の不動産市場の動向に関する情報を収集、不動産鑑定評価に準じた方法によって地価動向を把握し、その結果を国土交通省が集約したもの。調査時点は1月、4月、7月、10月の1日時点で、今回は平成24年第3四半期(7/1~10/1)のデータが発表された。

第三四半期の高度利用地地価「上昇」「横ばい」が約80%

高度利用地とは、ビルが建ち並ぶ住宅密集市街地など、三大都市圏、地方中心都市等において特に地価動向を把握する必要性の高い地区。東京圏が65地区、大阪圏が39地区、名古屋圏が14地区、地方圏が32地区の計150地区が選定されている。そのうち住宅系地区が44地区、商業系地区は106地区となっている。

平成24年第3四半期(7/1~10/1)の主要都市・高度利用地150地区における地価動向は、上昇が34地区(前回33)、横ばいが87地区(前回82)、下落が29地区(前回35)となり、上昇または横ばいを示す地区が121と全体の約80%(前回77%)を占めた。前回からさらに上昇または横ばいを示す地区が増加し、引き続き、横ばいが最多の変動率区分となった。

上昇を示す地区が増えたのは、仙台市中心部の住宅系地区の住宅需要の増加、大阪圏の商業系ならびに住宅系地区の堅調なマンション市況により地価が上昇に転じたためという。全体として上昇地区数が下落地区数を上回り、特に大阪圏、名古屋圏では前回に引き続き上昇地区が下落地区を数で上回るなど、地価の下落基調からの転換の動きが見られるとのこと。

三大都市圏(118地区)では、大阪圏では上昇地区が前回よりも増加し、東京圏では減少したものの、全体では増加した。

個別の圏域を見てみると、東京圏では前回に引き続き横ばいが41と最多の変動率区分になり、上昇地区数(11)と下落地区数(13)がほぼ拮抗(きっこう)する結果となった。また、大阪圏、名古屋圏では、前回に引き続き上昇地区数が下落地区数をそれぞれ上回り、名古屋圏では3%未満の上昇が最も多い変動率区分となった。

詳細なレポートは「国土交通省 土地総合情報ライブラリー」で閲覧できる。