フィンランドのNokiaで、PureViewに代表されるカメラ技術の開発で知られるイメージング&フォトグラフィー部門トップのDamian Dinning氏が同社を去る予定だという。同氏の退職は個人的理由だとしているが、開発部門が次々と縮小されるNokiaにおいて象徴的なものとなりそうだ。
同件はAll Things DigitalでJohn Paczkowski氏が11月23日(米国時間)に報じている。もともとは英Amateure Photographerが報じたもので、それによれば、2004年からNokiaに参画したDinning氏はリードプログラムマネージャとして同社のImaging Experience事業を率い、イメージング処理技術の中核として機能していたという。代表作は4100万画素センサーを搭載したNokia 808や、Windows Phone 8搭載のフラッグシップモデルであるLumia 920など、「PureView」の名称で知られる画像処理技術だ。同氏は過去にはMinolta UKやEastman Kodakなどにも在籍しており、画像処理技術の専門家としてキャリアを積んできている。
なお、退職の理由は前述のように個人的なもので、Nokiaが近年行っている事業整理とは直接リンクしていない形で記されている。またAll Things Digitalによれば、行き先は自動車メーカーの英Jaguar Land Roverだと本人がすでに説明しているという。経営上の理由ではないとしても、中核技術者の1人を失ったことはNokiaにとっては痛手だろう。