結婚式情報サイト・マイナビウェディングのCMソングとして現在オンエア中のニューシングル「こたえ」が話題の安田奈央は現在24歳。愛する思いを綴ったこの曲には、自らの過去を含め、彼女の奥底に潜んでいる幾層もの感情が宿っている。「君の愛はどこですか どんな愛がありますか」と切々と歌う彼女の思いとは?

安田奈央(やすだ なお)
1988年6月20日生まれ。石川県出身。2011年7月、ユニバーサルミュージックより、シングル「つぼみ」でメジャーデビュー。一切の電気を使わない暗闇ライブ“Voice in the dark”を主催し注目を集める。現在、マイナビウェディングのCMテーマソングとして話題の4th.Single「こたえ」が好評発売中。2013年1月には、待望のファーストアルバムのリリースを予定している

デビュー当時からライブで歌い続けてきたナンバー「こたえ」を11月にシングルリリースした安田奈央。「うまれて初めて、好きで泣いた。それをうたにしました」とキャッチコピーにあるように、その歌詞は、現在24歳の彼女が、21歳のときに書き留めた嘘のない思いだった。

――歌いたいと思ったきっかけはなんですか?

「歌いたいと覚悟ができたのは、20歳のときでした。なんかもう、鼻唄歌うみたいに、当たり前に歌を歌ってきたから。その延長線上が今だなあと思っていて……。高校を卒業したときに、好きなことって何なんだろう?、音楽だなという思いで、石川県から東京へ来たんですけど。はじめはダンスの専門学校に行ったんです」

――ダンスも好きだった?

「当時の私は自信がなくて、人の目をすごく気にする子だったので、歌を歌うって周囲が知ったら、『アイツが!?』って思われるのがイヤだったんだと思うんです。10代のころ、いじめたり、いじめられたり、失恋繰り返したりしている私の中の暗黒時代があって、人に自分の気持ちを言うのが怖くなっていって、勝手に心を閉ざしてしまったんです。今思うと。ダンスだったらバックだから、何も言われないかなって思って、ダンスを選んだんだと思っているんでけど」

――ダンスから歌への転機は?

「ダンスをやってても自分のなかでずーっとしっくりこなくて、なんか違いうなって思っていました。そんな中、20歳の時に友達がボーカルのオーディションを紹介してくれて受けたんです。で、最終選考までいったんですけど辞退しました」

――どうしてですか?

「人の目を気にして、歌手になりたいと言えない自分が、歌っちゃいけないと思ったんです。歌に対しても、一緒に受けている人にも失礼だと思ったんです。でも、失って気づく大切なものじゃないですけど、そこではじめて当たり前にソバにいつもいた音楽がなかったら、って考えたんです」

――逆に、歌いたいという欲求が強くなったんですね

「そうなんです。辞退から3日間寝たきりで、ああー、私、何やってるんだろうって。こんなに私、歌いたいんじゃん、みたいな。今まで人の目を気にしたり、やれないかもって逃げてきたけど、やらなかっただけだなって。こんなにやりたいと思っているんだから、やろう! って、辞退したことで気づけて、そこからですね。自分で曲も作り始めて、ギターも弾き始めました」

――「こたえ」の作詞は安田さんご本人ですが、当時の恋愛が元になっていますか?

「デビュー前、これから歌で自分を表現していくっていうときに、誰に何を伝えたいんだろうっていう葛藤がありました。そのときに、作曲家の方から受け取ったメロディを耳にした瞬間に、パッと浮かんだのが、大好きな人のことだったんです」

――琴線に触れて言葉が生まれたと

「今までの人生の中で、メロディだけで涙してしまった瞬間が何回かあるんですけれど、なんで涙したのか、それを言葉にするのはとても難しいことでした。でもこの曲のメロディに触れたときに、自分の心の奥底にある、はき出せていない感情にメロディが寄り添って涙が流れてきたんです。今までの葛藤や迷いが浄化されて言葉になった、そんな感覚でした」

――閉じた心を打破するのに、大好きな人の存在も大きかったのでは

「その人に出会って、少しずつ自分が自分らしくいられるなって感じたんです。そもそも私は何も信じられなかったので、コワイ、コワイって思っていたんですけれど、彼が本気でぶつかってきてくれたから、私も本気でぶつかっていいんだって。で、これが愛なのかなあって」

――そうして生まれたのが「こたえ」の歌詞なんですね

安田「『こたえ』っていうタイトルは『これが答えです』って言っている訳じゃなくて、答えを探し続けていたいという思いなんです。愛ってわからないじゃないですか。でも別に答えが知りたいわけじゃなくて、考えていることで、その答えに近づけている感覚というか、その人と向き合っているってこういうことなのかなと思いはじめたんです」

――この曲を2年間歌い続けてきて、感じ方は変わってきましたか?

「はじめてこの曲を聴いた人から『涙がでました』って言われたときに、この曲が伝わったんだなって感じました。人それぞれに解釈は違うけれど、涙を流すって癒されることだと思うんです。たぶん、私の曲を聴いてくれたその人も、自分を知らぬまに抑制していたり、何かを思い込んだり、ガマンして生きてきたのかなって思ったり。それに気づけるのが音楽かもしれない」

――大勢の人の前で歌うライブでは、歌の感じ方が違いますか?

「歌って?がれるし、一つになれるものだと思うんです。そのメロディを、言葉を、みんなで歌うことで、みんなが一つの思いになる。私はその瞬間がなんとも好きなんです。恋愛でも、どんな瞬間でも、1人じゃないんだって、みんな一緒なんだっていう、その気持ちを共有したりシェアすることって、すごく気持ちがよかったり、癒されたりする瞬間だなって感じているんです。『こたえ』もはじめは1人に伝えたくて歌いはじめた曲ですけど、嘘のない、心からの気持ちを歌うことで、みんなが自分のことを曲の中に見つけられて、みんなの歌になっていったらうれしいですね」


なお、12月15日に開催される「マイナビウーマン&マイナビウエディング オープン記念パーティ」では、安田奈央のアコースティックライブも行われ、抽選で200名(女性限定)を無料で招待する。詳細はこちらから。